3月3日は、ひな祭りの日です。桃の節句とも呼ばれていますよね。女の子のための行事として親しまれ、ひな人形を飾ったご家庭も多いのではないでしょうか。
お子さんから「なんでひな祭りにはお人形を飾るの？」「なんで女の子だけのお祭りなの？」と、ひな祭りについて質問された時に子ども向けにわかりやすく説明できると、伝統行事に対する興味や関心を高めることにつなげていけます。
古くから伝わる日本の伝統行事。
「なんで？」って疑問に思う
子どもに説明しようとすると、
意外と大人も知らないことが
いっぱいですよね～
お子さんに説明するときは、簡単な言葉に言い換えて説明してあげると伝わりやすくなりますよね。今回の記事ではお子さんに説明するときの言いかえ例をあげていきますので参考にしてみてくださいね。
この記事を読むことで大人もひな祭りについて改めてしることができ、お子さんにもわかりやすく説明することができるようになりますよ。
ひな祭りの由来
中国では季節の節目に五つの節句、通称「五節句」の行事があり、ひな祭りの日はもともとは五節句のひとつ、「上巳（じょうし）の節句」でした。この日は古代中国では忌日（いみび）とされ、そのけがれを祓うため水辺で体を清め、厄払いが行われていたそうです。
平安期頃に日本に伝わり、土や紙の人形にけがれを移して水に流す「流しびな」の行事となり、貴族の子どもたちの間で「ひいな遊び」というお人形遊びとなりました。
江戸時代になると武家や貴族の間では、ひな人形を段飾りにして美しく飾って祝うようになりました、この慣習が一般家庭に定着したのは、明治以後のことです。
「ひな祭りってなに？」を子どもにわかりやすく伝える言葉
ひな祭りは、女の子が無事に大きくなって元気でいられますようにってお願いする特別な日だよ。
○○ちゃん（子供の名前）が 生まれてきてくれて、元気でいてくれることに「ありがとうございます」の気持ちを伝えるお祭りだよ。
ひな人形を飾るようになった由来
日本では古くから、藁や紙でつくった人形（ひとがた）に、自身の穢れや災いを移して川や海に流す習慣がありました。
五節句が日本に伝わったとされる平安時代では、貴族の女の子の間で人形を使った「雛遊び（ひいなあそび）」が流行っており、それらが結びつき「流し雛」という習慣が生まれたそうです。
この流し雛が、ひな人形のはじまりとされています。
「どうしておひな様を飾るの？」を子どもにわかりやすく伝える言葉
ひな人形は、みんなの体についている悪いものを代わりにもらってくれるんだよ。だから、お人形を飾ると○○ちゃんが元気で過ごせるようになるんだって。
守ってくれているおひな様に「ありがとう」って言おうね。
桃の節句といわれる由来
この時季は旧暦でちょうど桃の季節にも当たります。五節句では、その月の季節の植物が飾られており、3月は桃の花が飾られたため「桃の節句」と言われるようになったのだそうです。桃は中国で昔から邪気を祓う聖なる果物とされていました。
「なぜ桃の節句っていうの？」を子どもにわかりやすく伝える言葉
ひな祭りは桃のお花がきれいに咲く時期なんだよ。〇○ちゃんと同じように、とってもかわいい花びらなの。
昔の人は桃が病気や事故から子どもたちを守ってくれるって考えていたからだよ。
ひな祭りが女の子の行事である理由
ひな祭りは「女の子の健やかな成長を祈る」行事とされていますよね。しかし元々は全ての人の「災いを祓い、健康を願う日」だったのです。
ですが「端午の節句」が男の子の成長や無事を願う行事だということや、「ひいな遊び」と合わさった関係もあり、いつの間にか、女の子の日として認識されるようになったということです。
今では女の子の厄や災いを一生受けてくれますようにという願いを込めて、ひな人形は嫁入り道具としても用いられるようになり、ひなまつり＝女の子のためのものという意識がすっかり定着しました。
「どうして女の子だけのお祭りなの？」を子どもに分かりやすく伝える言葉
ひな祭りを行う意味は、女の子も男の子も病気やケガをせずに健やかに育つことを願うことなんだよ。
お人形っていうイメージから女の子の日になったみたいだよ。5月5日の「端午の節句」という男の子の日にはかっこいい兜をかざるよね。
でもどっちの日にも、子ども達が元気に育って欲しいっていう気持ちが一杯こめられた日なんだよ。
ひな祭りを家族で楽しもう
お家にひな人形を飾ったり、ひな祭りにちなんだ食事をしたりすれば、お子さんの行事に対する興味や関心を高めるることができ、豊かな心の成長につながっていきます。
準備をしながら、みんなが
子どもの成長を願っている
のだよっていう気持ちが
伝わるとよいですね！
ひな人形を飾る
ひな人形を飾る期間について明確な決まりはありませんが、一般的には2月3日の節分を過ぎた頃からひな祭りの1週間前までに飾るとよいと言われています。
前日の3月2日に飾るのは、「一夜限り」といって縁起がよくないとされているため避けましょう。
ひな人形の名前や役割を説明しながらお子さんと一緒に飾りつけをすることで、ひな人形への関心も高まりますよ。
内裏雛（だいりびな）
最上段に座っている2体の男女のひな人形のことで「お内裏様」と「お雛様」と呼ばれており、天皇陛下と皇后さまを表しています。ひな壇は、この2体のひな人形の結婚式の様子を表しています。
三人官女（さんにんかんじょ）
最上段の下の段、2段目に座っている3体の女性のひな人形のことです。お雛様の身の回りのお世話をします。3人のうち1人が眉毛が薄かったり、お歯黒をしたりしているのは結婚していることを表しています。
五人囃子（ごにんばやし）
最上段から3段目に座っている5体の男の子のひな人形のことです。結婚式を音楽で盛り上げるため、音楽を演奏しています。右から楽器が小さい順番に並んでいて、一番右の人は歌をうたいます。
隋臣（ずいじん）
最上段から4段目に座っている2体の男性のひな人形のことです。左大臣は向かって”右”、右大臣は向かって”左”に座っています。お内裏様とお雛様を守るための用心棒の役割があります。
仕丁（しちょう）
最上段から5番目に座っている3体の男性のひな人形です。
ひな壇の中で唯一の庶民を表しており、掃除など、いろいろなお世話をします。
ひな祭りにちなんだ食べ物を食べる
・ひしもち
3段重ねにしたもちです。上から、ももの花、白ざけ、よもぎの色を表しているといわれています。
・ひなあられ
かつて桃の節句では、雛人形を川辺や野原に持ち出すという習慣があり、人形に春の景色を見せてあげていたそうです。『雛の国見せ』と呼ばれるこの風習のときに食べるお菓子として、雛あられは誕生したといわれています。
赤は『春の桜』、緑は『夏の新緑』、
黄色は『秋の紅葉』、白は『冬の雪』を
イメージしていて、四季を表している
そうよ。
雛あられに込められているのは、子どもの健康を祈る気持ちです。雛人形を飾るのと同じように、健やかに子どもが育つことを願って食べられるようになりました。
・ちらし寿司
ひな祭りの食卓でメインとなるのが、ちらし寿司ではないでしょうか。ちらし寿司に入っているエビは長生き、穴のあいたレンコンは先が見通せる先見性、豆はマメに働くなど、縁起のよい食べものとして考えられています。
・はまぐりのお吸い物
はまぐりのお吸い物も定番ですね。はまぐりは、2枚の貝がらがぴったりと合います。「良い結婚相手に会える」という願いがこめられています。
ひな祭りに関する絵本を一緒に読む
お子さんがひな祭りをイメージしやすいように、ひな祭りをテーマにした絵本を読み聞かせてあげるとより理解が深まります。日本の伝統行事の由来はなかなか馴染みがないため、イメージがしづらい内容です。
お子さんの年齢に合った内容の絵本を選んで一緒に読むことで、私たち大人もよりイメージがつきやすくなりますよ。
ひな祭りの歌を一緒にうたう
ひな祭りとして思い浮かべるのは、『うれしいひなまつり』ですよね。
歌詞の中にひな人形たちの名前が出てくるため、歌いながらそれぞれのひな人形の種類を覚えることができます。お子さんが大きくなっても、ママやパパと一緒に歌った思い出は、ひな祭りの思い出として一生残るものではないでしょうか。
まとめ
お子さんの年齢によって説明の
しかたは違ってきますが、次の
内容が伝わるといいですね！
- ひな祭りは、「女の子のすこやかな成長を祈る行事」であること
- 災いから守ってくれる人形を飾って、女の子が健康で一生幸せに暮らせるうようにという願いが込められた行事であること
- ○○（お子さんのお名前）ちゃんの成長をみんなが大切に思っていること
ひな祭りは、子どもたちの健やかな成長を願う大切な伝統行事です。季節の行事について知識をもつことはお子さんの人生をより豊かにしてくれるでしょう。
また守ってもらえていることに感謝の気持ちなども教えてあげられるといいですね。
お子さんが大きくなっても、ひな人形を見ると楽しかった思い出がよみがえるような1日を過ごしましょう！
