優しい子どもに育って欲しいというのは親の願いの1つではないでしょうか。我が子がお友達に優しくしてあげている様子などを目の当たりにした時、親として嬉しい気持ちになりませんか?逆に、最近、なんだかお友達に意地悪ばかりしてる・・そんな光景を見ると心配になってきますよね。
そんな時は、ふだんの親子の関わり方を見直してみるチャンスではないでしょうか。今回は我が家での体験談をご紹介したいと思います。
いま、お子さんのきつい言葉がけを心配している親御さんのお役にたてるとうれしいです。
「優しさ」ってどうしたら芽生えるの?
まだ言葉を話せない乳幼児は、お腹が空いた、眠い、オムツが気持ち悪い、抱っこしてなどと自分の欲求を周りの大人に伝えようと泣くことで表現しまよね。私たち親は、言葉でのコミュニケーションが取れない赤ちゃんの気持ちをわかろうと、泣き方や表情からから察しようとします。
そしてどうしたら笑顔になってくれるのかを考えます。子どもはそんな関わりをしてくれる大人を信頼するようになり、生後2か月~7か月の頃は身近な人との愛着形成ができあがっていきます。子どもは乳幼児期に母親から無条件に受け入れられ、愛される経験をもつことで「愛着の形成」し、子どもの人格形成の基盤をつくっていくのです。「愛着の形成」は不安を抑制し、子どもに安心感を与え、自己や他者への信頼感をもたらします。ここで育まれた人格の基盤は心の優しさや他者とのコミュニケーション能力などを育むことになるのです。

「優しさ」って身近な人との関わりの中から生まれた愛着形成から育つ資質や能力なのね!

そうなんだね。優しい子に育って欲しいならまずは自分たちが子どもにどんな関わり方をするのかが大切なんだね!
弟が産まれてジャイアンに変身した娘

「順番でしょ!」 正論だけれども言い方ってあるよね・・
我が家の娘は第一子とのこともあって周りからの愛を一心に集めて、すくすくと育ち、お友達にも優しく関わる姿を微笑ましく思っていました。
しかし、そんな娘もジャイアンに変身した時期がありました。弟が産まれてしばらく経ったときです。弟が産まれた時、娘は幼稚園に通っていました。
産まれたばかりの赤ちゃんの世話で気持ちが一杯になっていた私は、幼稚園への送迎時には「早く、早く」と準備を急ぎ、幼稚園から帰ってきても、娘が一生懸命話しているのに心ここに在らずの状況でした。そんなある日、幼稚園に娘をお迎えに行きいつものように園庭で遊んでいる様子の中で
「あれ?」と娘の変化を感じたのです。
あなたはジャイアンですか・・?ジャイ子ではなくてね
叩いたりするわけではないのだけれども、「お友達への言葉がけがきついな」と感じたのです。まだ幼児ではそんなことも「あるある」なのでしょうが、以前までの行動との違いが気になり、自分の行動を振り返りました。
子どもがこうするってことは、自分がしているってことです。
私が、側にいる人を大切にしなくてもいいと思っている行動をしているのだな・・
こう考えると思い当たるふしはいろいろでてきます。
子どもの行動から、自分の行動を振り返ってみる

気持ちをわかろうとすることが大事だよ
子育てのテレビ番組などで、悪いことをした時は、「なぜそのようなことをしてしまったのかまずは子供の気持ちをわかろうとしてあげることが大事」と言われます。これは改めて大切なことだと感じました。
私は下の子が産まれてから、「なぜそうしたの?」と聞ける余裕もなくストレートに「ダメ!」と言って対応してしまっていました。子供の気持ちをまずわかってあげてから、悪いことは悪いと教えた方が、子供も反発はせずにこちらの声も聞いてくれるのはわかっていたのですが・・。
ある時は、娘が寂しくてかまって欲しかったのか、寝る時間になっても寝ようとはせずにふざけていることが続いた時がありました。ふざけて騒いでいたら下の子も寝れないので、早く寝て欲しいと思って怒ってしまいました。
今思えば、娘は親の気持ちをひこうとして面白いことをしたりしてふざけていたのです。娘の気持ちに気がついて抱きしめてあげればきっと少しは気持ちも満たされたのではないかと思います。親を笑わせようとしたのに怒らせてしまった子どもの気持ちを考えると、なんとも切ないエピソードとして自分の中に残っています。
関わり方をかえたことで、子どもも周りの人の気持ちを考えようとする子供に変化
子どもの行動から、自分の行動を振りかえり、子供の気持ちをわかろうと接するようになってからは、弟のために面白いことをしたり、よく笑わせてくれるようになったような気がします。
親が自分の気持ちをわかってくれようとしたことで、下の子を可愛がる心が芽生えたのかもしれません。いつもではないですが、自分のおもちゃを貸してくれる優しい姿を見ることもできました。弟が歩き始めたときは率先して手を繋ぎ優しく弟のペースに根気よく合わせて一緒に歩いてくれました。
自分だけお菓子をもらってきたときは、何も言わなくても分けてくれる優しい子に成長してくれました。お友達が泣いている時は一緒にしゃがんで、じっとお友達の側に座って泣き止むのを待ってあげているような優しさが見られるようになりました。
言葉がけを意識できる自分の成長

小さいことにたくさん泣いた息子は、今はたくましい男子に成長
また、弟の方は赤ちゃんの頃から母親の私が側にいないと泣く子でした。家事をするときも、出かけるときも抱っこ紐で抱っこやおんぶをしていました。常に抱っこ紐をつけていた記憶があります。
私がいないと不安で何もできない子になるのかと思いましたが、「すぐに泣かないの」ではなく「ママがいないと寂しくなっちゃうんだね」などと、泣いていることを否定するのではなく、泣いている気持ちを理解しようとする言葉がけを続けてきた結果、自然とたくましく育ってきました。
幼稚園に入園の頃には母子分離もすんなりと行き、私がいないと泣いていた赤ちゃんの頃がウソのように、毎日元気でいっぱい過ごせていました。
子どもたちのそのような姿を目の当たりにして、身近な人が気持ちを理解しようという関わり方を大切にすることで、子どもの「優しさ」は育くまれるのだと経験しました。
またこの経験から、子どもたちへの言葉がけをより意識することができるようになり、自分自身の成長としても大きな経験になりました。