我が子には幸せになって欲しいというのは親の願い願いですよね。未来を生きていく子どもたちが幸せに生きていく力をつけるために親はどのようにかかわっていくのが良いのでしょうか?

この記事では私が受けてきた研修や講座からみんさんにシェアしたいなと思うことをお伝えします!
子供たちの将来に必要な力は変化してきている
今、時代が急速に変化していることは私たち親も肌で感じているところではないでしょうか。
オックスフォード大学のマイケル・オズボーンらは、2030年には今ある仕事の49%がAIにとって代わられると発表しました。
また近年では環境問題や自然災害や紛争、近年のウイルスの発生などさまざまな問題が次々とおこっています。これまでの経験だけでは解決できなく、新たに知恵をだしあい、新しい解決の方法を考えて行かなければならない場面が増えてきています。
このような時代の中で幸せに生きていく知識を得て工夫をこらし暮らしていける力、複雑で様々な課題を解決する力が必要になってきています。
現在、各国の教育現場でもこれからの時代を生き抜く力として、以下の力をつけることに価値観がおかれています。
- 自己決定(主体性)
- 人間関係などを大切にする(共同性)
- 多様性を受け入れる力
- 回復力やしなやかさ(レジリエンス)
このような力を非認知能力といいます。非認知能力の学びについてはこちらの記事も合わせてお読みください。
ではこれらの力をつけるために親である私たちは、子どもにどんな関わり方をしていけばよいのでしょうか?
子どもが未来をたくましく生きる力をつけるためには叱咤激励が必要?
結論からいうと
心は叱咤激励では育ちにくい。
温かく、受容的、応答的に関わる人が周りにいることが大切です
と教えて頂き、自分自身の子育てを反省しました。
小さい子どもは自分の気持ちを言葉でうまく表現できないので、泣いて表現することって多いですよね。
たとえば外出中に我が子が泣いて動こうとしないという場面があったときに、みなさんはどのように子どもに声をかけるでしょうか。
「いつまでも泣かないの!早くおうちに帰らないとママはご飯の準備ができないよ」
なんて言葉を発してしまうこともあるのではないでしょうか。私も子どもが乳幼児だったころ、なかなか公園から帰ろうとしなかった時など待ちくたびれてこのように言っていました。お母さんたちは帰ってからもやることがたくさん!なんとか泣きやませ、家に連れて帰りたいのです。大人からみれば、「いつまでも泣いていたって解決しないじゃない」と思うのです。
この時の目的は「なんとか泣きやませて家に帰ること」になっています。
しかしこういう時に
✔泣き止ませようとする人が側にいるのか
✔泣いている気持ちをわかろうとする人が側にいるのか
で子どもの心の育ちは変わっていくのです。 子どもが自分の気持ちを表現した時に、どんなかかわり方をされてきたのか? が強い心の育ちの形成には大切になってきます。
もしかしたらわがままで泣いているように思える子どもの心の中に本当はもっとわかってもらいたかった気持ちがあったのではないでしょうか。小さいころの自分のことを思い出して見てください。「わかって欲しかった」という思い心の中に押し込められていませんか?
気持ちをわかろうとする人がそばにいると子どもは自分から立ち上がる
では温かく・応答的・受容的な関わり方をするとは具体的にどのような関わりかたなのでしょうか。
上の例の場合、泣いて動かなくなった子どもの気持ちをわかろうとする想いを表現することです。
「今は悲しくて動けないのだね。じゃあここに一緒にいようか」と、その子が自分から立ち上がるのを信じて一緒に待ってあげます。いったん、子どもが動こうとしない気持ちを否定せずに受け入れてあげるのです。子どものネガティブな気持ちを無理やり抑えこむのではなく、泣いている気持ちをわかろうとしてあげるのです。子どもはそんなお母さんの安心・安全の寄り添いの気持ちの中から、少しずつ自分で気持ちを整理し、次に向かう力を養っていくのです。自らの力で、もう泣くことをやめようと思えるようになるのです。
「待つ」って忙しい日々の中ではとても難しいことです。「待つ」というのは人間のみができる行動とも言われています。
でもここはお母さんの腹のくくりどころです。大人ができることは、待てる余裕をあらかじめ作るようにすることです。子どもを無理やり動かすことではありません。
「どんな力を育みたいのか」と常に自分に問いかけてみて下さい。
子どもはそんなかかわりをしてくれた人を見て、自分も周りの人に同じようなかかわりをするようになります。心理学的に、自立した人とは、自分で考えたり、工夫したり、他者に助けを求めることができる人が本当の(レジリエンス逆境から立ち直る力)な人としています。「困った時には言ってね」という人が側にいれば、自ら沸き上がる意欲をもって立ち上がっていくのです。「なんとかしよう」ではなく、支援的にかかわることが大事なのです。
未来を生きる力を育むにはかかせないセルフコンパッション
ところでみなさんはセルフコンパッションという言葉をご存じでしょうか。セルフコンパッションとは、大切な人を思いやるように、自分を思いやることです。みなさんは今、自分の気持ちにはどのくらい寄り添えていますか?身体の中にもし愛のタンクがあるとしたら今、どのくらいの「愛」が入っていますか?溢れ出すくらい入っていますか?それとも、もう底をつきそうでしょうか?ここまで読んできて「頭ではわかっているけれども、できない」って思っている方もいらっしゃると思います。
もしかしたら、お母さん自身のタンクの中の愛が少なくなっている状態なのかもしれません。愛あふれる子育てをしたいと願って、自分の残り少ない愛をふりしぼって愛を出しても長くは続きません。子どもたちの気持ちに良い状態で寄り添うためにはまず自分自身の気持ちに寄り添ってみてください。毎日、家族に全力を注いでいるお母さんはどうしても、自分のことは後回しになりがちです。旅行にいくとか外食するとかもよいのですが、意外とちょっとしたことで満たされるものです。
以前、私は子どもたちがまだ乳幼児だったころ、お風呂上りは、子どもたちがふいた後の湿ったバスタオルで自分の身体を拭いていました。しかし、実はそれは嫌だったのだという自分の本心に気がつきました。自分のために洗いたてのバスタオルを出してふいただけで、すごく幸せな気持ちになったことを覚えています。
ママが満たされるとその幸せは周りに広がっていきます。まずは自分で自分の心を満たせるようになりましょう。子どもの気持ちに寄り添ったかかわりができるようになりためには自分が良い状態でないと難しいのです。あるがままの子どもの気持ちを受け止め続けることで、子どもたちは安心して自分のペースで成長していくのです。子どもの安全基地になって、未来を生きる子どもの力を育んでいきましょう。