
「小学校に上がる前に引っ越したほうがいい?」
「それとも、小学校入学のタイミングで家を購入したほうがいい?」
未就学児がいる家庭では、子どもの成長に合わせて住まいについて考える機会が増えてきます。
今の賃貸住宅に住み続けるのか、それとも子どもの小学校入学をきっかけに持ち家へ移るのか。住宅購入は大きな決断だからこそ、タイミングに迷う人も少なくありません。
特に気になるのが、「子どもが小さいうちに購入するメリットはあるの?」「小学校入学前に引っ越したほうがいい?」という点ではないでしょうか。
この記事では、賃貸から持ち家へ住み替える場合に必要になる費用の目安と、未就学児のうちに住み替えるメリット・デメリット、小学校入学に合わせて引っ越す場合のポイントを整理します。
賃貸から持ち家へ。購入時にはどんな費用がかかる?
現在の住まいが賃貸であれば、今の家を売却する必要はありません。
一方で、住宅を購入するときには、物件価格以外にもさまざまな費用がかかります。
代表的なのが、次のような費用です。
- 頭金
- 仲介手数料
- 登記にかかる費用
- 住宅ローンに関する費用
- 火災保険料
- 印紙税
- 不動産取得税
- 引っ越し費用
- 家具・家電の購入費用
物件や住宅ローンの条件によって金額は変わるため、「住宅価格以外にもお金がかかる」と考えておくことが大切です。
頭金は必ず必要?
住宅購入では「頭金をいくら用意するか」も気になるところです。
頭金を多く入れると、住宅ローンの借入額を減らせます。頭金なしで利用できる場合もあります。
そのため、「住宅価格の○割を必ず頭金として用意しなければならない」と考える必要はありません。
むしろ子育て世帯の場合は、住宅購入後にも、
- 引っ越し費用
- 家具や家電
- 子どもの教育費
- 保育料
- 車の買い替え
- 急な病気や休職などに備える生活防衛資金
などが必要になることがあります。
頭金を入れる場合も、手元のお金をすべて住宅に使ってしまわないよう、購入後の生活費まで含めて考えたいところです。
仲介手数料は中古住宅だけ?
住宅購入時に意外と大きな金額になりやすいのが「仲介手数料」です。
不動産会社が売主と買主の間に入って仲介する場合、仲介手数料が発生します。
400万円を超える物件の場合、仲介手数料の上限は、一般的に
「物件価格×3%+6万円+消費税」
で計算できます。
例えば3,000万円の物件なら、仲介手数料の上限は約105万6,000円です。
ただし、「中古住宅だから必ず仲介手数料がかかる」「新築だからかからない」というわけではありません。
売主から直接購入する場合は仲介手数料がかからないことがありますが、新築住宅でも仲介会社を通して購入すれば仲介手数料が発生する場合があります。
物件を探すときには、「仲介手数料が必要なのか」も確認しておくと安心です。
諸費用はどのくらい?

住宅購入にかかる諸費用は、物件の種類や購入方法、住宅ローンの条件などによって変わります。
一般的な目安として、新築住宅では物件価格の数%程度、中古住宅では仲介手数料などが加わることで、さらに大きくなることがあります。
例えば3,000万円の中古住宅なら、仲介手数料だけでも約105万6,000円。そこに登記費用や住宅ローン関係の費用、火災保険などが加わるため、諸費用だけで数百万円になるケースもあります。
また、購入時には引っ越し費用や家具・家電の買い替え費用なども考えておきたいところです。
「住宅ローンを借りられる金額」だけでなく、実際に購入した後も無理なく暮らせるかという視点で予算を決めることが大切です。
「家賃と住宅ローンが同じくらい」なら大丈夫?
賃貸から持ち家へ移ると、それまで払っていた家賃が住宅ローンの返済に変わります。
そこで、
「今の家賃と同じくらいの住宅ローンなら払えそう」
と考えることもあるかもしれません。
ただ、持ち家になると住宅ローン以外にも、
- 固定資産税
- 火災保険・地震保険
- 修繕費
- マンションなら管理費・修繕積立金
- 駐車場代など
が必要になる場合があります。
そのため、家賃と住宅ローンの返済額だけを比較するのではなく、住宅を維持するために必要な費用まで含めて考えることが大切です。
未就学児のうちに住み替えるメリット

では、子どもが小学校に入学する前に住み替える場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
1.転校ではなく、新しい学校に入学できる
小学校入学前に引っ越しを済ませておけば、転校という形ではなく、新しい住所に応じた学校へ入学することになります。
小学校に入ってから転校すると、すでにできている友人関係や学校生活の中に途中から入ることになります。
一方、入学前に引っ越しておけば、新しい学校で入学時からスタートできます。
もちろん子どもによって新しい環境への慣れ方は違いますが、「転校」という形で環境を変えずに済むことは、住み替えを考えるうえで大きなポイントです。
2.入学前に通学環境を確認できる
小学校入学前に住む場所を決めておけば、入学する学校や通学環境をあらかじめ確認できます。
物件を選ぶときには、
- 小学校までの距離
- 通学路の安全性
- 大きな道路を渡る必要があるか
- 交通量
- 子どもが歩きやすい道か
- 学校までの所要時間
なども確認しておきたいところです。
なお、学校は住所に応じて指定されるのが一般的ですが、自治体によっては学校選択制などを設けている場合もあります。
「この家ならどこの小学校に通うことになるのか」を、物件探しの段階で自治体に確認しておくと安心です。
3.小学校入学後の生活を新居からスタートできる
引っ越しと小学校入学を近い時期に合わせることで、新しい生活をまとめてスタートできるというメリットもあります。
小学校入学後は、登下校や宿題、学校行事など、それまでとは生活リズムが変わります。
その前に住環境を整えておけば、子どもが新しい生活に慣れることに集中しやすくなります。
4.家族のこれからを考えて住まいを選べる
未就学児の時期は、家族のライフスタイルが大きく変化しやすい時期でもあります。
子どもの成長だけでなく、
「在宅勤務が増えた」
「きょうだいが増える予定がある」
「通勤時間を短くしたい」
「子どもの遊ぶスペースがほしい」
など、住まいに求める条件も変わってくるかもしれません。
小学校入学をきっかけに、家族のこれからを考えながら住まいを選ぶことができます。
未就学児のうちに住み替えるデメリット

一方で、子どもが小さい時期だからこその注意点もあります。
1.保育園や幼稚園の転園・転園手続きが必要になる場合がある
現在、保育園や幼稚園に通っている場合、引っ越し先によっては転園が必要になることがあります。
特に自治体をまたいで引っ越す場合は、現在の園をそのまま利用できず、新しい自治体で入園・転園の手続きが必要になる場合があります。
自治体によって申込み方法や選考方法、申込み時期などが異なるため、住み替えを検討した段階で確認しておきましょう。
「家は気に入ったけれど、子どもの預け先が見つからない」ということにならないよう、住宅探しと保育園の情報収集を並行して進めることが大切です。
2.住宅ローンの審査と仕事の状況を考える必要がある
未就学児がいる家庭では、育休中だったり、復職したばかりだったり、時短勤務をしていたりすることもあります。
住宅ローンの審査では、年収や勤続年数、他の借入状況などが確認されます。
育休中や時短勤務中の取り扱いは金融機関によって異なるため、住宅購入を考え始めた段階で確認しておくと安心です。
「今借りられる金額」だけを見るのではなく、今後の働き方や収入の変化も含めて返済計画を考えたいところです。
3.子育てのお金と住宅購入費が重なりやすい
未就学児の時期は、保育料や習い事など、子どもにかかる費用が増えていく時期でもあります。
そこに住宅購入の頭金や諸費用、引っ越し費用、家具・家電の購入費などが重なると、家計への負担が大きくなることがあります。
さらに、住宅購入後には固定資産税や修繕費などもかかります。
住宅ローンの返済額だけではなく、子どもの成長に伴って増える支出まで考えておくと、購入後の家計をイメージしやすくなります。
4.数年後に住まいの条件が変わる可能性がある
未就学児のうちは、子どもの成長や家族構成によって、必要な住環境が変わる可能性があります。
例えば、
「子ども部屋が必要になった」
「きょうだいが増えた」
「通勤よりも通学の利便性を優先したくなった」
など、数年後に住まいへの希望が変わることもあります。
そのため、「今の生活にちょうどいい家」だけではなく、数年先の家族の暮らしも想像しながら選ぶことが大切です。
小学校入学に合わせて引っ越す場合は?
「今すぐ購入するのではなく、小学校入学に合わせて引っ越したい」という家庭もあるでしょう。
この場合の大きなメリットは、保育園・幼稚園を卒園するまで現在の園に通える可能性があることです。
転園による子どもの環境変化を避けながら、卒園後に新しい地域で小学校生活をスタートできます。
ただし、小学校入学に合わせる場合も、入学直前にすべてを決めるのではなく、早めに準備することが大切です。
物件探しから購入手続き、引っ越し、住民票の異動、就学に関する手続きまで、やることは意外と多くあります。
また、自治体によって就学手続きの時期や方法が異なるため、引っ越し先の自治体で早めに確認しておきましょう。
「未就学児のうち」と「小学校入学前」、どちらがいい?
ここまで見ると、
「結局、いつ購入するのがいいの?」
と思うかもしれません。
実は、すべての家庭に当てはまる正解があるわけではありません。
例えば、
保育園の転園を避けたい家庭
→ 卒園まで現在の園に通い、その後の引っ越しを検討する
転校を避けたい家庭
→ 小学校入学前に引っ越しを済ませ、新しい地域から入学する
仕事や収入の状況を優先したい家庭
→ 復職後など、家計の見通しが立ってから購入を検討する
転勤の可能性がある家庭
→ すぐに購入せず、今後の働き方や住む地域が固まってから検討する
というように、家庭によって適したタイミングは変わります。
大切なのは、「子どもが何歳だから買う」と年齢だけで決めるのではなく、
仕事・保育園・学校・家計・家族構成・将来の住む場所
をまとめて考えることです。
住み替えを考えるときに確認したいこと
最後に、賃貸から持ち家への住み替えを考え始めたら、次の項目をチェックしてみましょう。
子どもについて
- 小学校はどこになる?
- 通学路は安全?
- 保育園・幼稚園を転園する必要はある?
- きょうだいが増える可能性は?
仕事について
- 今後の勤務時間はどうなる?
- 転勤の可能性は?
- 現在の収入だけでなく、今後の収入も考えたか?
お金について
- 頭金はいくら入れる?
- 諸費用はいくらかかる?
- 引っ越しや家具・家電にいくら必要?
- 固定資産税や修繕費を見込んでいる?
- 住宅ローン以外の借入はない?
住まいについて
- 家族が数年後も暮らしやすい?
- 小学校までの距離は?
- 通勤時間は無理がない?
- 周辺の買い物環境は?
- 子どもが成長した後の間取りも考えた?
このあたりを一つずつ確認していくと、「今すぐ買うべきなのか」「もう少し賃貸で暮らすべきなのか」が見えやすくなります。
まとめ|家を買うタイミングは「子どもの年齢」だけで決めない
未就学児がいる家庭にとって、賃貸から持ち家へ移るタイミングは大きな決断です。
小学校入学前に引っ越すことで、転校を避け、新しい地域から小学校生活をスタートできるというメリットがあります
一方で、保育園や幼稚園の転園、住宅購入費、仕事や収入の状況など、考えておきたいこともあります。
住宅購入では、頭金だけでなく、仲介手数料や登記費用、住宅ローン関係の費用、保険料などの諸費用も必要です。さらに、購入後には固定資産税や修繕費などもかかります。
だからこそ、
「小学校に入る前だから買う」
ではなく、
「このタイミングなら、家族が無理なく暮らしていける」
という時期を考えることが大切です。
未就学児のうちに購入するのか、卒園・入学をひとつの区切りにするのか、それとももう少し賃貸で暮らすのか。
家族の仕事や保育園、子どもの学校、そして家計。
それぞれの状況を一つずつ整理しながら、自分たちの家庭に合った住み替えのタイミングを考えてみてはいかがでしょうか。


