昨今では子どもの主体性を育むためには、親が口出しするのを控えて、「見守る」ことが大切だといわれています。子育てをしていると頭ではわかっていてもついつい口出ししてしまうのが親というものですよね。

子育て支援員のさくらこです。日々、子供の成長のことは仕事を通して勉強をしていますが、我が子の育児となると色々な思いもわき、難しいなと感じる場面もたくさんあります。
我が家で言えば、ただいま中学3年、高校受験を迎えた娘がいます。もう中学3年生なのだから自分でしっかり考えるだろうと思いつつ、のんびりしている姿を見ているとついつい「進路はちゃんと考えて勉強しているの?」など口をはさんでうるさそうな顔をされます。
本人なりに考えている最中に口をはさんでしまっているんですね・・子育てってムズカシイなと感じる場面です。
この記事はお子さんの主体性を育むために「見守る育児」を選択したいけれども
- なんだかのんびりしていて、いつまでもスイッチ入らないのだけれども手遅れになっちゃうのでは?
- 見守っているつもりだけれども子どもは「放置されている」と勘違いしてない?
- 他の家庭からみたらうちの子どもは「自分勝手」にやらせている思われていない?
こんな疑問をお持ちのかたに向けて、我が家の体験談をご紹介します
我が家ではこの「見守る」を意識的にすることによって、子どもが自分の進路について真剣に向き合う姿をみることができました。
主体性を育むって何?なぜ大事なの?
主体性とは何か? 主体性、主体的な人とは、目的を果たすために何をすべきか考えながら、自分の意志で行動を決定できる性質・人のことを言います。自分でやりたいことを見つけて、方法を考えて達成していくこと。
例えば進路を決定するにしても、三者面談で先生や親が子供の進学先を決めるのではなく、
「自分は将来、どうなりたい?どんな風に活躍したい?」ということをみんなで議論して子どもが選択していく。それが子ども主体なのです。
子どもに任せて、どうすればいいのかを自ら決めていく経験を積ませていくことなのです。
主体性は将来、社会に出た時に、自分自身で考え行動する性質であり、意欲的な姿勢によって幅広い能力を発揮します。
なぜ主体性が大事なの?
これからの社会はAI社会になり、社会問題や自然災害等でどんどん複雑化していくといわれています。未来を生きる子どもたちは問題解決能力がさらに求められるようになります。
親が過剰に口出しを続けることは、子どもたちがこれからの社会をうまく生きる力を失わせてしまうのです。
子どもが何かに挑戦しようとする時に親が先に「こうすればよいのだよ」「その方法だと失敗するよ」と道しるべを示すことで、子どもの考える機会は失われます。
考えるくせがついていないと、人に言われたようにしか動かなくなってしまうのです。いわゆる「指示待ち人間」です。
みなさんの周りで、子どもに「○○しなさい」という指示語が多いお母さんをみかけませんか?子どもはその時どんな表情でやっていますか?

自分のしていることって無意識だから意外に気が付けないのよ。他の人がやっていることが気になったら、自分もそうかも!って振り返ってみることが大事です。
親から次々に言われると、自分でゆっくり考える時間をもてなくなり「言われたからやる」という義務感で動くようになります。大人でも同じですよね。それが続くとだんだん無気力になり「面白そうだからやってみる」「こうすると楽しそう」という感性が弱まっていくのです。
では、自らやってみたいという気持ちを持てるように親が関わることで、子どもはどのようになるのでしょうか?
- 人間として尊重されたと感じる
- やらされていないので、興味やモチベーションが高まる
- 自分で決めたことの権限を感じ、責任を持って守る
信じてもらえているという安心・安全な関わりの中で、子どもは自然と自己肯定感が育ち、自らの力を未来の問題を解決する力につなげることができるようになるのです。
「見守る育児」は親の忍耐が必要
そもそも親はどうして、子どもに口出しをするのでしょうか?
親はどうしても世間の一般的な基準をもとにして「この年齢なら、これくらいできて当たり前」と考えたり、我が子が失敗する姿をみたくないために、失敗しない方法を教えようとしたくなるものです。

自分で色々できるようになってくるといつのまにかこれくらいできて当たり前
って思っちゃうことが多いのよね。
現代では子どもが小さい頃から、安全性を配慮して親の目の届くところでの遊ぶ機会が多い時代です。そうすると子ども同士で解決する力があることにも、トラブルになるのを事前に避けるために、親がついつい口出しや手出しをしてしまう機会が多くなってしまうのです。
このように子どもが小さいころから、口出しや手出しをすることに親は当たり前になってしまっているのです。
「心配」の原動力は、自分自身の「怖れ」の気持ちからきていることも少なくありません。子ども中心の生活をしている親ほど、この傾向は強まります。
自己満足のために自分の思い通りに子どもをコントロールすることで、せっかくの子どもの自立の機会を失ってしまっているのです。
手を出さずに見守ることは、手を出すことより忍耐が必要な行動です。「自ら」考え、行動をおこすことを信じて待ちましょう。それは成長期すべての時期に当てはまることでもあります。

信じて「待つ」ということは人間のみができる高等な行動だと言われているのよ。
「見守る育児」と「放任主義の育児」はどう違うの?

見守る育児が大切なのはわかったけれども「放任主義の育児」になってしまわないの?
「見守る」ということが難しいと思われるのは「ただ黙ってみる」「放任しておく」との境目が分かりづらいということもあるのではないでしょうか。
「見守る」育児は「子どもの状態をしっかり観察すること」です。例えば、乳幼児期であれば、危険な時は「それは危ないから違うところで遊ぼうね」と声をかける必要があります。
またどうしても行き詰っていそうな時には答えを教えるのではなく、ちょっと子どもの視点をかえてあげられるようなアドバイスをしてあげることで必要です。
「視点を変えれば、違う見方ができるのだ」ということに気がつかせてあげるような言葉をかけてあげると次につながる力を育むことができます。
普段から子どもがどんなことに興味を持っているのかなどをしっかりみてあげ、その子に寄り添った言葉、必要としている言葉をかけてあげることが大切です。見守るというのは黙って子どもを放任するとは反対で、むしろ子どもの普段の姿をしっかり観察し、子どもの気持ちをわかろうとすることが大切なのです。
しかし、見守る育児は加減が大事でもあります。
子どもの意見を尊重しすぎることで「親はどうでもいいと思っている」と勘違いをしてしまう可能性もあるからです。
「困った時にはいつでも言ってね」といつでも相談できる関係性を築いておくことは大切です。
まだ社会経験が圧倒的に少ない子どもです。経験したことがない困難な場面では、間違いをしてしまうこともあります。我が子は大丈夫と子どもの力を信頼することも大切ですが、社会のルールやマナーはしっかり教えて親としての責任や関心を忘れないようにすることが大切です。
まとめ

大きな器でゆったり見守っていこう
「親」という漢字は、木の上に立って見る、と書きます。子どもを、見晴らしの良い木の上から見守る━
これこそ、親の役目です。
親が「あれをしなさい」「これをしなさい」と言わないことで、子どもの自立心が育まれます。「見守る」という関わり方で、自分の考えを言っても否定されないという安心・安全な気持ちが育っていると、自分の判断で行動ができるようになります。
また、子どもがやってみようとしている行動のは背景の気持ちを考え、なるべく「ダメ」という言葉ではなく「どうしたら子どものやってみたいと思う気持ちが満たせるのか?」を考えた環境をつくるようにしてあげ、やってみたい気持ちを応援してあげるのが親がすることなのだと自らの子育ての経験を通しても思います。
いつでも手助けをしてあげられる距離に居てあげることはとても大切なことですが、子どもの力を信じて見守ってあげることは、もっと大切なことなんだと思います。
子どもを信じるという事は、同時に見守ると言う決断をした自分自身を信じることでもあります。もしかすると、これが一番難しいことかもしれませんね。
まずは意識することから始められるといいと思います。そして子どもにも、どんな時にも「応援しているよ」という気持ちで関わことを意識していくことが大切です。