今年度の受験も終わりに近づいています。来年度、受験されるお子さんがいらっしゃるご家庭では「受験」をより現実的に感じる時期ではないでしょうか。
自らの失敗を鑑み、子どもには苦労させたくないと思うのが親心。我が子により良い進路をみつけて欲しいと思いますよね。
ひたすら部活に打ち込み学校の課題やテストに日々追われるように過ごしていた娘が中学3年生に進級した時の我が家の会話です。
来年は高校受験だけれども、高校に入ったらどんなことをしたいとか考えていることはあるのかな？
う～ん。そんなこと急に聞かれてもわかんない。
という状況でした。
夢や希望に向かって早くから取り組んでいるお子さんもいる中で、我が家の娘のようにまだはっきりと目標を持てないお子さんも多くいます。
娘の受験を通して、自分の進路を自分で切り開いていく子どもを育むにはどのように関わることがよいのかずっと考え過ごしてきました。
受験が終わったいま感じるのは、受験というイベントは、親の在り方によって親子の信頼関係を良くも悪くもするのだと感じました。
子どもの人格を尊重できる存在でいる
親はお子さんの一番の応援者で在りたいと思うのではないでしょうか。そうであるためにはどのような関わりをすることが大切なのでしょうか。
私の体験から感じた結論は、子どもを一顧の人格として認めることです。
私は子育て支援員としての学びから、「子どもの主体性を尊重し、言い分を聞いたうえで、社会で生きていく力を育むにはどうしたらよいか」ということを大切に子育てをすることを意識するようにしています。
子どもの思いや考え方を「どうせ子どもの考えること…」と受け取るのでなく、ひとりの人としてその思いや、考えをまずは認める、受け止める。
しかし受験生の親となったとき、それが私にとっては思いのほかハードルの高いものでした。
頭ではわかっていても、我が子となると期待や心配など様々な思いが合わさってしまってしまうものですね・・
子どもの「今」を認めてあげる存在であること
頑張っている子どもを見ると、ついつい励ましの言葉をかけたくなるものです。「頑張ってね」と言ってしまうその前に、まずは現状を認めてあげることを意識しました。
「いつも頑張っているのを見ているよ」
「自分なりの勉強方法を自分の力で見つけるってすごいことだよ」
「苦手な分野にも逃げずに取り組んでいるの、かっこいいよ」
先ずは本人の考え方や行動を、ちゃんと見ていること、認めていることを伝えていきました。
こうした行動やあり方を承認する声掛けが、子どもに安心感を与えます。
不安を払拭できれば、その分受験勉強にも専念できますよね。
そして言葉の使い方や、その場の雰囲気などは、「ちゃんと見てるよ～」であることを心掛けましょう。
親の言葉遣いが穏やかであれば、子どもにとって心理的安心感につながっていくのです。
受験中は本人も不安からイライラしたりすることも多かったです。
そんなときこそ、こちらもイライラした口調で返すのではなく
「穏やかに接する」と自分の中で決めて接していました。
私がイライラした時に、イライラで返してこなかったのわかっていたよ～
ありがとう！
【体験談】受験直前になって志望校を変更
年末も近づき、受験まであと2か月という時のことです。
我が家では受験校を親子で話し合い、子どもも納得したと思っていました。進路相談では先生ともお話をしてすすめてきたある日、急に子どもから受験校を変更したいと言われました。
「何を考えてこんなギリギリになって変更するの？」と、私は驚きと同時に考え込みました。
進路選択については、本人の希望もしっかりと聞き、親としてのアドバイスもしてきたつもりでした。
もう受験も間近。そんなことして大丈夫だろうかという不安もありましたが、
「自分の進路は子ども自身が一番考えているはず」と考え直し、変更した経緯を聞きました。
進路を選択する本人も、ギリギリまで考えた結果の変更希望のようでした。
話し合い重ねるうちに、色々な人から情報を得て、子どもなりに考え、自分の思い描く希望を叶えるために必要な道筋をセットし直したようでした。
保護者である私たちとは違う、様々な角度からの意見を柔軟に取り入れ、子どもなりに考え、自分に最適な道を選び、それをプレゼンする能力を、いつの間にか身につけていました。
子の成長に気づかされ、改めて考えさせられた時間でした。
急に受験校を変更したいなんていうから本当にびっくりしました！
私の考えを受け入れてくれ、一緒に考えてくれて嬉しかったよ
もし頭ごなしに否定していればこの子どもの大きな成長に気がつかなかったでしょう。また、このような状況下でもあきらめず、自分の思いを表現してくれたことも嬉しく思ったできごとでした。
まとめ
今回の受験を通して常に意識したことは、親の一方的な思いではなく、受験生である子どもにとって今必要なことは何か？という視点を持って接することでした。
子どもの希望や未来、思いを表現できるよう、子どもが話したいと思うタイミングを待つようにしました。いつまでもしっかりとした目標を言ってこない時には不安を感じましたが、娘自身がきっと一番考えているはずだと信じることを選択した結果、自分なりにいろいろ調べ答えを出してきました。
今回は娘にとって初めての大きな選択でしたが、親が「信じて待つ」という姿勢を崩さないことで、自分の将来に向き合う貴重な経験を得ることができたのではないかと思っています。
