「また今日も怒ってしまった…」
寝顔を見ながら後悔し、「もっと優しくしてあげたいのに」と涙ぐむ夜。
それなのに、翌朝また同じようにイライラしてしまう――。
子育てをしていると、そんな感情の繰り返しに疲れてしまうことはありませんか?
ネットで「子育て イライラ」「怒ってばかり 自己嫌悪」と検索し、何かヒントを探しては「私が悪いのかな」と落ち込んでしまう。
でも、そんなふうに悩むあなたは、決して「ダメなママ」なんかじゃありません。
むしろ、子どもを大切に思うからこそ、悩み、苦しくなっているのです。
この記事では、イライラの正体や感情との向き合い方、情報に振り回されない子育てのヒントなどをお伝えします。
少しでも心が軽くなり、「私らしい子育て」に一歩近づけますように。
育児中のイライラの原因を知る

振り返ってみれば、子どもが小さかった時は常に何かに追われているようで気持ちに余裕がなかったな~

なんだか小さいことでイライラしたりしていたよね~(笑)
イライラした時には子どもにぶつける前に、なぜ自分がイライラしているのか自分の気持ちに視点をむけてみまし
怒りの正体は「二次感情」

どうしたらもっと育児を楽しめるの?
イライラしていると、次から次へとイライラする状況を引き寄せる経験、あなたも多かれ少なかれあるのではないでしょうか。不快な感情からは一刻も早くぬけだしたいですよね。
そもそも、このイライラってどこからやってくるのでしょうか。あなたはこの「イライラ」という怒りの感情に、もうひとつの感情が隠れていることをご存じでしょうか?
心理学者のアドラーは人が怒りの感情を持つのは4つの目的を果たそうとするためであると言っています。
- 相手を自分の意のままに動かしたい。
- 主導権を握りたい。
- 自分の権利や立場を守りたい。
- 正しいことを教えたい。
これらの気持ちを満足させるために「怒り」として表現されるのです。しかし「怒り」の感情にたどり着く前には「心配・寂しさ・悲しみ。苦しみ」などがあります。
- ○○ができていないから不安⇒このままじゃ将来大変なことになってしまうのではないか不安
- また約束を守ってくれなかった⇒自分はないがしろにされているようで悲しい
- 言うことをきかない⇒自分の思い通りにならなくて苦しい
怒りの下にはこのような気持ちがあるのです。
イライラした時は怒りをぶつける前に自分の心の中の気持ちに先に気づいてあげましょう。気がついたら自分の気持ちに優しくよりそってあげてくださいね。これだけでも感情的に子どもを急に怒鳴りつけるなんてことがぐっと減ります。
情報に振り回されないために

育児本、ありすぎ!
出産をして退院するといよいよ本格的に育児がはじまります。核家族家庭が多い現代では、日中はお母さんが一人で慣れない育児を始めることが多いのが現状です。
育児情報を得るにはインターネットや育児書が主になります。有益な情報がいくらでも簡単に得ることができますが、幸せな子育てをしたくて読んでいたはずが、いつしか「理想どおりすすまない、できない自分」にフォーカスしていきイライラする毎日に変化してしまうのです。
自己肯定感がいつのまにか下がっている状態です。
子育て中のお母さんはやることも多く、子供が小さければ小さいほどお世話にかかる時間が多くなり、目先のタスクをこなすことが目的になってしまいがちですよね。
こんな時こそ、目先の情報に振り回されるのではなく、しっかりと「自分は将来、子どものどんな姿をみたいのか?」と自分の想いを書き出してみるころをおすすめします。
育児中に心のゆとりをもてるようになるには

心の中にこんな映像をイメージするだけでも、イライラから遠ざかるよ
「自分を軸とした子どもの未来を思い描く」ことはイライラを解消するのにとても有効です。
なぜなら、自分と子どもの理想の未来にむけてエネルギーを出していくことができるので、○○するべきという他人の価値観から開放されるからです。
先述したとおり、インターネットや育児書にはたくさんの情報があふれている時代です。便利ではありますが、簡単に情報が手に入る時代だからこそ、しっかり未来の姿を描かないと色々な切り口で書かれた情報に振り回されてしまうことになります。

なりたい(在りたい)未来の姿を定めると、必要のない情報をどんどん断捨離していけますよ
また自分の想いを理解し、定めることで頑張ろうと決めたことであれば、たとえうまくいかない日があっても明るい未来への努力になり自分自身に成長というご褒美がかえってきます。
ここでもう1つお伝えしたいことがあります。あなたが思い描いた「未来の子どもの姿」についてです。
明るくて、礼儀正しくて、勉強もスポーツも万能な子が理想の姿なの?
あなたは我が子がどんな子どもに育って欲しいと思っていますか?
- 勉強もスポーツもできる子であった欲しい
- お友だちと仲良くできる子でいて欲しい
- 明るくて礼儀正しい子になって欲しい
- 勉強もスポーツもできる子であって欲しい
- ルールが守れる子であって欲しい
- 有名な大学にいって、大きな会社で活躍してほしい
など、我が子を愛するがゆえにいろいろな期待がでてくるのではないかと思います。
では、なぜそうなって欲しいと思ったのか?
「そうなることで、子どもが幸せになれると思ったから」ではないでしょうか。
みなさんもご自分の経験から理想とする人間像を思い描き、我が子にはそのように育って幸せになって欲しいという期待は多かれ少なかれ持っていると思います。
しかし、自分の期待にそった子どもを育てることを目的地にすると、子どもをコントロールするような行動につながりやすくなります。
例えば、子ども自身がのり気でない習い事をさせたり、人見知りであることを危惧して今の状況を何とか克服させようとしたり、お友達と仲良く遊べないことを不安に思い「お友達と遊びなさい」と言う。
親の不安や怖れから促される行動は、子どもには「愛されている」と伝わりづらいものです。
これからの時代に必要な力とは?

子供達が大人になる頃はどんな人材が求められるようになっているのかな
これからはどんどんAIの時代になっていきます。2030年には今ある職業の半分はなくなると言われています。また環境問題や自然災害や紛争、近年のウイルスの発生などさまざまな問題が次々とおこっています。
これまでの経験だけでは解決できなく、新たに知恵をだしあい、新しい解決の方法を考えて行かなければならない場面が増えてきています。
このような時代に豊かに生きていく知識を得て工夫をこらし暮らしていける力をつけていくことが必要となってくるのではないでしょうか。複雑で様々な課題を解決する力が必要になってきます。
現在、教育の世界でもこれからの時代を生き抜く力として、以下の力をつけることが大切だとさかんに言われています。
・主体的に参加する力
・自ら判断し行動する力
②共同性(豊かな人間性・多様性を受け入れる力)
・仲間と協力する力
・コミュニケーションの力
これからの時代に子どもたちが幸せに生きるために育みたい力は、自己決定や人間関係などを大切にすることに価値をおき、多様性を受け入れることができ、回復力やしなやかさ(レジリエンス)を持てる人間になる力ということなのでしょう。
まとめ
「育児がつらい」「イライラしてしまう」と悩むときは、まず立ち止まって、自分の感情に耳を傾けてみてください。
怒りの裏にある本当の気持ちに気づけたとき、子どもとの関わり方が変わってきます。
そして、「子育ての目的地」をはっきりさせることで、情報に振り回されない、自分らしい子育てができるようになります。
あなたの心が軽くなり、笑顔で子どもと向き合える日々が、きっと増えていきますよ。