近年、日本に在留する外国人の増加に伴い、保育園に通う年齢(0〜6歳)の子どもが増えています。
保育園や子育て支援現場で働いているみなさんも、外国人の保護者と接する機会が増えてきていると感じている方は多いのではないでしょうか?
外国籍の子どもの家庭の半数は、日本語以外の言葉を家庭で使用しているため、日本語に慣れるまで時間がかかり、保育園、保護者が共に「伝えたいことをうまく伝えられない」ことに不安を感じ、コミュニケーションの問題を抱えています。
ここ数年、保育園でも積極的にICT化を取り入れるようになった結果、
・iPadで写真をみせながら今日の活動を報告する
・スマートフォンの翻訳ツールなどを使ってコミュニケーションを行う。
などの手段を用いてコミュニケーションの工夫が広がるようになりました。
しかし、もし「英語を話して伝える」という手段がとれるとさらにコミュニケーションが深まりますよね?
本記事では、外国人の保護者とのコミュニケーションをスムーズにするための保育英語のフレーズをご紹介します。
どのフレーズも短めなので「基本の型」として覚えるまで場面をイメージしながら何度も繰り返して音読することがおススメです。
1. 挨拶と基本的な会話
まずは、基本的な挨拶から始めましょう。毎日の挨拶は、コミュニケーションの第一歩です。
- Good morning / Good afternoon – おはようございます / こんにちは
- How is she/he doing this morning? – (子供の様子を確認)今朝の調子はどうですか?
- Have a great day! – 良い一日をお過ごしください!
- What wrong?-(いつもとちょっと様子が違うけれど・・)どうしましたか?
- I will keep an eye on her.- 彼女のことをよく注意して見ておきます。
保護者との最初のやり取りがスムーズにいくと、その日のコミュニケーションがうまくいきやすくなりますね。
2. 子どもの様子について
保護者は子どもの様子を知りたがっています。簡単な英語で子どもの一日の様子を伝えると喜ばれます。
- Kevin did an art activity for Tanabata today. -今日、ケビンくんは七夕の工作をしました。
- Your child played with clay today.-今日は粘土遊びをしました。
- He was eagerly working on his crafts!-彼は熱心に工作に取り組んでいました。
- Today we practiced for the Sports Day!-今日は運動会の練習をしました。
- Kevin looked very happy! – ケビン君はとても嬉しそうでした。
- Your child played well with others. – お子さんは他の子供たちと上手に遊びました。
保育園での活動を写真や作品をみせながら、どんな活動なのかというイメージを持ってもらい、その時の子どもの様子を英語で付け加えるだけで、保護者に安心感を与えることができます。
3. 食事の様子
保護者は子どもの食事の量や食べたものなど気になるもの。給食のメニューなども写真で見せながら、様子を伝えるとよりイメージしてもらいやすくなります。
- Kevin ate all of his school lunch today.– ケビン君は今日のお給食は全部食べました。
- Today’s menu seemed to be food he didn’t like.– 今日のメニューは彼の嫌いなものだったようです。
- He only ate about half of his lunch.– 半分くらいしか給食を食べませんでした。
- Does your child have any allergies? – お子さんにはアレルギーがありますか?
- He didn’t like the soft texture of tofu.– 彼はお豆腐の柔らかい食感が嫌だったようです。
- Your child enjoyed the meal today. – お子さんは今日の食事を楽しんでいました。
これらのフレーズを使って、食事に関するコミュニケーションもスムーズに行いましょう。
4. 体調やケガ
子どもの体調や安全に関する情報は、保護者にとって最も重要です。体調が悪い時には、保護者の方に電話で連絡しなくてはいけない場面も多くなります。基本のフレーズのパターンを暗記してしまいましょう。
- Is your child feeling well? – お子さんは元気ですか?
- Your child has a slight fever. – お子さんは少し熱があります。
- I am calling to let you know that Kevin started having a fever and she needs to be picked up.-ケビンが熱を出して、お迎えが必要なので電話しました。
- He didn’t eat lunch that much and looked tired, so we checked his temperature. He is lying down right now.-お昼ご飯をあまり食べなくて、疲れている様子を見せ始めたので、体温を測ってみました。今は横になっています。
- He vomited. -吐いてしまいました。
- He has loose stools – うんちがゆるめでした。
- He has coughed a lot. – 咳がたくさんでていました。
- He has a very runny nose. – 咳がたくさんでていました。
- He has a rush on his body. – 体に発心ができました。
体調や安全に関するフレーズはとっさの時にも出るようにしておけるくらいに練習しておきましょう!
5. 予定とスケジュール
次に、予定やスケジュールに関するフレーズです。保護者にとって、予定を把握することは重要です。
- There will be a parent-teacher meeting next week. – 来週、保護者と先生の面談があります。
- We have a monthly physical measurement tomorrow.– 明日、毎月の健康診断があります。
- We have food education next week and need aprons for the kids.- 来週、食育があるので子ども用のエプロンが必要になります。
- We have a field trip planned for next month. – 来月、遠足を予定しています。
- The nursary school will be closed on Sunday. – 保育園は日曜日はお休みです。
予定やスケジュールを伝えることで、保護者が準備をしやすくなります。
6. その他、日常でよく使うフレーズ
保育園は生活の場ですの、生活用品に関する依頼などのフレーズが必要となる場面も多いのではないでしょうか。
- Please bring extra clothes for your child. – お子さんのために予備の服を持ってきてください。
- Please put your child’s name on his belongings. – 持ち物には名前を書いてください。
- We have lent your child a change of clothes since he had no spare ones. -着替えがなかったので保育園の洋服を貸し出しました。
- Please return the clothes after washing them. -それらを洗濯したあとに返してください。
- Please buy a new one and return it to us. -(タオルや下着などの時)新しいものと購入して返してください。
- Please take his bath towel home every weekend. -バスタオルは毎週持ち帰ってください。
- If you have any questions, please feel free to ask. – 何か質問があれば、どうぞお気軽にお尋ねください。
生活用品に関しても、文化の違いから、こちらがイメージしているものとは違うものをイメージしていることはよくあることです。具体的な物を見せて説明してあげるといいですよ。
まとめ
外国人の保護者とのコミュニケーションは、最初は難しく感じるかもしれませんが、ちょっとした英語のフレーズを覚えておくだけで、大きな助けになります。
今回ご紹介したフレーズを、使う状況をイメージしながら何度も何度も口に出して練習してみましょう。ある日、ふと自然と口から出てくる日がありますよ!