子育て支援員という職業があることをご存じでしょうか？
子育て支援員とは、2015年に国によって設けられた資格です。待機児童問題や、保育士不足の問題を解消するため、国家資格である保育士資格がなくても保育現場に就労するためのサポートを目的としてスタートしました。
こんにちは。子育て支援員のさくらこです。私は東京都の子育て支援研修を受講して資格取得しました。子育て支援員の資格を取得しようか迷っている方のお役にたてる情報をお伝えしていきます！
子育て支援員の資格を取得する方法
子育て支援員は、国が主導して設置をした資格ではありますが、保育士のような国家資格ではありません。「子育て支援に関わる仕事をしてみたい」という思いを持つ人であれば、自治体ごとに定められた研修を受講することで取得ができる民間資格です。
研修は「基本研修」及び「専門研修」を修了することで取得できます。
私は「地域子育て支援コース」の中の「基本型」の研修を受講しました。こちらのコースは1年以上の実務経験が条件になりますが、実務経験がなくても受講できるコースがほとんどです。
専門研修は「地域保育コース」「放課後児童コース」「社会的養護コース」「地域子育て支援コース」の4コースに分かれています。
東京都の基本研修時間が8科目8時間。それに加えて専門研修が5.5時間～20時間程度と取得するコースによって幅があります。
子育て支援員の資格取得の流れについては、こちらの記事をご覧ください。
子育て支援員としての働きかた
子育て支援員の活動の場は幅広いです。中でも、学童保育や保育園、子育てひろばでは多くの子育て支援員が活躍しています。
ここでは、それぞれの施設における子育て支援員の業務内容を紹介します。
保育園
子育て支援員の保育園内の役割は、保育補助になります。
子どもたちの食事のサポートや排泄の介助、午睡中の見守りや外遊びの際の見守り、衛生面など保育士の業務の一部を手伝います。担任を持つことはありません。
雇用形態としてはパートやアルバイトとして契約されることも少なくありません。事務職などの常勤職員が、保育の補助にも入れるように子育て支援員の資格を取得を会社から求められることもあります。
非常勤の先生であっても、専門職である保育士を上手にサポートできる「スーパー非常勤」と呼ばれるくらい素敵な先生がいるのは園にとって心強い存在です。
学童保育
学童保育は、放課後や学校の長期休み中に保護者の代わりに小学生を預かるのが学童保育の役割です。
学童保育には、放課後児童支援員という資格を持った専門家が常駐しています。放課後児童支援員は、保育士や社会福祉士などの国家資格を有した人が取ることができる資格です。
子育て支援員の役割は放課後児童支援員のサポートになります。勉強や遊びの見守りであったり、保護者との連絡、環境整備などのお仕事をします。
私が受講したコースには、すでに学童保育で働いていらっしゃる方がたくさん受講されていました。お話を聞いていると、事務をメインに行っていたり、見守りがメインだったりなど働き方もさまざまでした。
子育てひろば
子育てひろばとは、子育て中の保護者が気軽に立ち寄って、子育てについて相談したり、悩みを打ち明けたりするための施設です。子育て支援員の活動の場としても注目されています。
全国各地にある子育てひろばによっては、子育て支援員を増員しようとしている施設もあります。 なぜなら、研修で身に着けた専門的な知識と豊富な育児経験による的確なアドバイスが、子育ての悩みを抱えた人の心の支えになるからです。
資格取得後の就職支援サイトもある
資格取得後には子育て支援員就職サイト事務局から定期的にこんなハガキも送られてきます。受講したコースから就職先を探すこともでき、自宅でゆっくり探すこともできますね！
資格取得のメリットは?
前述の通り、研修さえ受講すればほぼ誰でも子育て支援員になれます。そのため、資格によるキャリア面・給与面での優遇制度はあまりないのが現実です。しかし、以下のようなメリットはあります。
保育業界が未経験でも、意欲をアピールできる
今までに保育業界が未経験である場合、求人に応募することに不安を感じますよね。子育て支援員は民間資格ですが、国が定めた資格です。
資格を取得したことは、子どもとかかわる仕事への意欲をアピールにつながります。
私が働いている保育園では無資格者は採用されませんが、子育て支援員の資格を持っていると採用につながっています。
無資格よりは時給が少し上がる求人がある
保育の求人情報などに目を通していくと、「子育て支援員歓迎」と書かれた求人もあります。時給制の場合だと1時間当たり30～50円程度、月給制の場合、月3000円程度の手当がつく場合が多いようです。
子育て支援員の知識は自分の育児にも生かせる
子育て支援員としてすぐに働けなくても、研修で学んだ内容は自分自身が子育てしていくうえで有益な情報ばかりです。保育の基本姿勢や専門的な学びは、子育ての視点を広げてくれます。
私は研修で学んだことを仕事にだけでなく自分の子育てにも大いに役立てています。研修を受ける前と受けた後では、子育てに関する姿勢が大きく変わりました！
子育て支援員の資格・・ここが残念！
時間的にも余裕ができ、さらに保育について学びたいと思ったとき保育士資格の取得を考えることもあるのではないでしょうか。
子育て支援員の資格が役立つかというのは気になるところですが、残念なことに、直接保育士資格取得に関して子育て支援員の資格が役立つということはありません。試験の一部免除などの優遇制度はないのです。
ただし、子育て支援研修で学ぶことは保育士試験にでる内容であることは間違えないのです。全くの知識ゼロからよりは保育士資格の勉強にスムーズに入っていきやすい利点はあります。
まとめ
子育て支援員は、保育士の資格がなくても子どもに関わる仕事ができるという点で、社会的にも期待されている制度です。
子育ての経験があり、それを活かして仕事がしたいと考えている方にとっても、学校に行ったり、資格試験に合格するなどの大きな時間的、経済的負担がなく、保育などの仕事に関われるようになるというのは大きな魅力ですよね。
何よりも、短期間にぎゅっとつまった濃い内容の研修は、仕事にも自分自身の子育てにも大いに役立ちます。
子育て支援員に資格を取得してどのように生かしていくかは個人個人違ってきますが、子ども達や保護者を応援できる職業としてとても魅力的な仕事だと思います。
