子育て支援員という資格をご存じでしょうか?
子育て支援員とは、平成27年にスタートした「子ども・子育て支援新制度」のもと、保育の仕事や子育て支援に就業する人を増やす目的で創設された新しい資格です。国が定めた研修を履修して「子育て支援員研修修了証明書」の交付を受ければ、働くことができます。

こんにちは。さくらこです。私は東京都の子育て支援員研修を受講し、資格を取得しました。
子育て支援員とは
子育て支援員とは、子育て・保育の現場で活躍する立場の人のことです。これは平成27年からはじまった「子ども・子育て支援制度」に基づいて生まれた職業で、研修を済ませた子育て支援員は保育の仕事に就くことができるようになります。
自治体が定めた「基本研修」及び「専門研修」を修了し、保育や子育て支援分野の各事業等に従事する上で、必要な知識や技能等を修得したと認められる方のことです。国家資格ではありませんが、研修を終了すると修了書を交付してもらうことができ、全国で通用する「子育て支援員」として認定されます。
子育て支援員がなぜ必要とされるようになったのか
子育て支援員制度が始まった背景には、深刻な保育士の人材不足があります。
共働き家庭の増加傾向に伴い、保育園のニーズは年々高まっていますが、それに対し保育園や保育士の数が圧倒的に足りていないのが現状です。
政府は平成27年度より「子ども・子育て支援新制度」を施行し、定員19人以下の「小規模保育」や、保育者の自宅で行う「家庭的保育」を新しく認可事業とするなどして、保育のサービスを充実させてきていますが、保育現場の働き手の増加がそれに伴っていないことが問題となっていました。
そこで、保育士資格を持っていない方でも就業しやすいようにと、この子育て支援員研修が開始されたのです。
資格取得までのプロセス
子育て支援員の資格取得までの大きな流れをご紹介します。

こちらでは東京都の子育て支援員研修についてご紹介していきます。自治体によって異なりますが、子育て支援員の資格は全国で通用します!
Step1 研修の申し込み
自治体によってコースは違うようですが、東京都子育て支援研修は4つのコースがあります。ご自身が今後就きたい仕事や今のお仕事に活かせるに合わせて内容を選択することができます。
Step2 コースの種類を選択する
コース名 | |
地域保育コース | 「子ども・子育て支援制度」によって地域型保育として位置づけられた小規模保育、家庭保育(保育ママ)、事業所内保育や一時預かりの保育従事者として勤務する方向けのコースです。 |
地域子育て支援コース | 地域子育て支援拠点(公共施設等の身近な場所で子育て中の親子の交流や育児相談、育児に関する情報提供を行う場)や利用者支援事業(子育てひろばや子供家庭支援センター等で利用者支援を実施)で勤務する方向けのコースです。 |
放課後児童コース | 学童クラブ(保護者が就労等により昼間家庭にいない児童に対し、放課後に適切な遊びや生活の場を提供する場)に従事する放課後児童支援員の補助者として、勤務する方向けのコースです。 |
社会的養護コース | 社会的養護(保護者のいない児童や、保護者に監護されることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養護・保護し、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと)における補助的な支援者として、児童養護施設等で勤務する方向けのコースです。 |
ー 引用元:「東京都子育て支援員研修」パンフレットよりー
コースの選択をしたら、申し込みをします。
申し込み方法は2通り
①Webサイト内の申し込みフォームから登録
②郵送する場合は、所定の申込書(区市町村窓口か下記ホームページで入手可)を簡易書留で以下の宛先に提出をします。当日の消印までが有効になります。

各コースで募集がない時期もあります。コロナ禍で開催情報もかわっていますので研修実施計画を確認しましょう。
募集時期と申し込み期日はHPなどでしっかりチェックしてくださいね。私は、過去、申し込み期間を逃してしまいました・・
地域保育コースは(東京都で研修を受ける場合)
〒163-0718 東京都新宿区西新宿二丁目7番1号 小田急第一生命ビル18階
公益財団法人東京都福祉保健財団 人材養成部 福祉人材養成室 子育て支援員担当
それ以外のコースを希望の方は(東京都で研修を受ける場合)
〒164-0001 東京都中野区中野4-11-10
株式会社東京リーガルマインド 新規事業本部 東京都子育て支援員研修事務局
Step3 基本研修の受講
基本研修では、どのコースも共通の内容を8科目(8時間)受講します。子供の発達や、子育て家庭の現状など、基礎知識や技術を学びました。
受講後はA4用紙1枚程度、その日の科目ごとにレポートの記入が必須でした。基本研修の最後の日には簡単なテストもありました。

最初はレポートの記入時間が短くて慌ててしまいました。研修中にある程度、頭の中でまとめておくといいですよ!
※基本研修は保育士、社会福祉士等の資格をお持ちの方は基本研修の免除が適用されます。
Step4 専門研修の受講
専門研修では、それぞれコースに応じた専門的な研修を受講します。希望したコースに関する知識や技術などを学習するため、コースによって科目や時間は異なります。

研修内容ごとに先生が違い、どの先生もご自身の長年の経験・体験をもとにお話されていたのでとてもわかりやすく、どの時間もあっという間でした。
専門研修の時も科目ごとのレポート提出と、最終日の簡単なテストが実施されました。
Step5 実習にいく
基本研修・専門研修が終了するといよいよ実習です。指定された実習先で現場体験を行いますが、自分で実習先を見つけておかなければならないこともあります。
実習前には、健康診断と検便検査の結果の提出を求められました。
どちらも結果が出るまでに時間がかかるので、余裕を持って準備しておくこと安心ですね。
あと、保育用のエプロンも準備しましたが、こちらは実習先が変わったため、貸し出し用エプロンの着用になりました。

私は住んでいる地域の保育園で2日間の実習予定でしたが、コロナ禍で受け入れしてもらうことができなくなり、家庭支援センターでの実習に切り替わりました。
Step6 見学実習レポート提出
実習終了後は所定のレポート用紙に、自宅でしっかりと学んだことをレポートにして、研修を開催している東京リーガルマインド提出しました。後は修了証書の交付を待つのみです。
Step7 修了証書の交付
レポートを提出してから1か月くらいしてから、小池都知事のお名前が入った「子育て支援員研修終了証書」が自宅に送付されてきました。
資格取得にかかる費用について
研修への参加費用は無料です。ただし、会場への交通費及び昼食代、Zoom用のための物品費用及び通信費用は自己負担となります。東京都は無料で研修を受講できますが、自治体によっては有料の場合もありますので募集要項を確認するようにしてください。

昨年度は集合形式とオンライン形式を組み合わせて開催されたコースもあったようです。
また、受験票用の写真と「専門研修」ではテキスト代や心肺蘇生法講習費用、見学実習にあたり必要となる腸内の細菌検査等の受診費用なども自己負担になります。
ちなみに私が購入したテキスト「利用者支援事業のための実践ガイド」は1800円(定価)でした。
まとめ
受講方法やコース、申し込み方法なども各自治体によって異なりますので、興味のある方は各自治体のホームページにて確認しましょう。
私は「地域子育て支援コース」の「利用者支援事業・基本型」を受講したので実務経験が必要だったため、すでに学童や保育施設で働いている方でした。私の印象では30代から60代くらいまでの幅広い年齢の方が多かったように感じました。
とにかくどの科目も大事なことがぎゅっと濃縮され、一瞬たりとも聞き逃したくないと必死に聞いてあっという間の研修期間でした。事前購入のテキスト以外に、研修で使用する冊子が配布されるのでノートに書き写すというよりは補足を書き足していけばよかったので、講義に集中できました。
資格を取得したらいよいよ、現場に入って少しずつ実務経験をつんでいきましょう。新しい未来が開けることは間違いないです!
資格取得後の働き方はこちらの記事でご紹介していますので参考になさってくださいね。