
専業主婦だけれども仕事をしたいから保育所に子どもを預けたい。専業主婦でも保育園に入ることはできるの?
本記事ではこんなお悩みの解決案をご紹介します。
産休・育休制度を利用して出産後も働き続ける女性は増えていますが、それと同時に、出産を機に退職した女性が「保育園に子どもを預けて働きたい」と考える専業主婦が増えています。
保育園は基本的に「保育に欠けた状況にある子ども」が通える施設なので、働くお母さんの子どもが通う場所というイメージがありますが、必ずしも当てはまりません。

子育て支援員(利用者支援事業)のさくらこです。専業主婦だと、保育園の利用は無理だと思って働くことをあきらめていませんか?
専業主婦の方でも、あきらめなければ、子どもを保育園に通わせて働くことができます。
今、専業主婦だけれども、様々な理由により保育園を利用したいと思っているかたにむけて、10個の対策をご紹介します。
専業主婦だと保育園に入れない理由
多くの保護者が希望する認可保育園は、「親が働いている、病気の状態にあるなどの理由により家庭において十分に子どもを保育できない場合に家庭に代わって子どもを保育する施設」です。
保育が必要な主な理由は下記のようなものです。
- 就業中
- 妊娠、出産
- 疾病
- 介護、看護
- 求職活動
- 就学など
認可保育園への入園に際して、一般的に多くの自治体で「利用調整」という名の入園審査を実施しています。その際に採用しているのが「点数制」です。獲得した点数を基準に入園の優先順位がつけられます。
特に「就労」は点数の多くを占めるため、専業主婦の点数獲得が難しい状況です。
その中で多くを占める「基準指数」があります。基準指数とは、保護者の基本情報を自治体がわかりやすく数値化したものです。点数を決める要素はいくつかあるものの、「就労」していると基準指数が高くなります。
専業主婦の場合、就労が当てはまらないことで、入園の選考基準となる点数が低くなってしまいます。
「求職」を理由に認可保育園に入園申し込みをすることも可能ですが、各自治体によって判定基準は異なるものの、求職中の優先順位は低いとされています。
求職中に申請をしても希望した保育園に入園が決まらず、結果的に仕事を始められないといった声は少なくありません。
「預け先がないと働けないという状況であるにもかかわらず、」「働いていなければ優先順位が低く保育園に預けられない」という保活事情があり、専業主婦では認可保育園を利用しづらいという声が多いのです。
専業主婦家が子どもを保育園にいれる8つの対策

1.認可外保育園に預ける
先述したように、一口に保育園といっても保育園には大きく分けて3つの分類があります。
ここでは簡単にそれぞれの特徴を解説します。
①認可保育所
認可保育所とは厚生労働省の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」を満たした施設です。
施設の広さや保育士の配置人数、設備など都道府県知事や市区町村長から認可を受けたうえで運営されます。
認可保育園は、それぞれでの家庭での保育が必要とされる要件を「点数」にして示し、点数によって入園の可否が決まります。
入園申請の仕組みや入園審査の基準が自治体によって異なり、ばらつきがあるのが現状。各自治体によって点数の基準があるので、お住まいの自治体の要件を確認する必要があります。
保育料は両親の住民税をもとに算出されます。
②認可外保育所
厚生労働省の児童福祉施設最低基準を満たしていない施設が「認可外保育所」と分類される保育園です。託児所やベビーホテルなどがあり、夜間保育にも対応している施設があります。
認可外保育施設指導監督基準に基づいて運営されていますが、英語や体操など園独自のプログラムを持っているところが多いです。
保育料は公的な補助がないために、認可保育園よりも高い傾向にありますが、自治体によっては補助金もでるため確認してみることが大切です。
③認証保育所
認証保育所とは東京都が定めた独自の認証基準を満たした保育所となります。都市型の保育ニーズに特化した施設で「13時間以上の開所」「0歳児保育」の実施が義務づけられた施設です。
もう少し詳しく知りたい!という方はこちらの記事もご覧ください。
この3つのうちで専業主婦でも入れる可能性が高いのは、認可外保育園、認証保育園になります。
認可保育園は自治体で一括申し込み・選考を行っていますが、認可外保育園や認証保育所は個別の申し込みとなり直接園と契約することになります。

認証保育所や認可外保育園は入園を随時受け付けている所が多いですが、入園する為の申し込み条件や入園基準などは園によって異なります。
園によっては先着順で入園を決定したり入園の際には面接を設けていたりしますので、希望する園がある場合は早めの情報収集と行動が大切です。
注意点としては、認可外保育園は認可保育園よりも金額が高くなることが多いです。認可外保育園に預ける場合は、自分たちの家計と預けるメリットをよく考えつつ判断する必要があります。
自治体によっても違いますが、一般的に認可保育園では『月額35,000円~55,000円』となりますが、認可外保育園では『月額50,000円~70,000円』となり2万円~4万円ほどの差があります。
認可外保育園への通園は、認可保育園に申し込む時には加点対象になる場合があります。長い目で見て、認可外保育園を選択するすることは専業主婦の保活にはメリットが大きいです。
2.ベビーシッターや一時保育を利用する
ベビーシッターや認可保育園・認可外保育園の一時預かりの情報も収集しましょう。保育園にこだわらず、子どもの預け先の一つとして確保しておくという意味でも重要です。
一時預かりは、単発だけではなく、週2〜3日の定期利用が可能です。求職中で、パートも視野に入れている方は、単発での利用や定期利用も検討してみてください。

一時保育は就労が理由である場合、リフレッシュなどが理由の一時預かりとは金額が別に設定されているので各施設に確認してみてくださいね。ベビーシッターも補助がでるので、積極的に問い合わせをして情報収集をしていきましょう。
3.求職活動申立書を提出する

専業主婦から就活って勇気いるよね。でも一歩踏み出してみよう
無認可保育園、認証保育園の申し込み書類は保育園ごとに異なりますが、認可保育園に申し込みをする場合は自治体が求める書類を提出して認定を受ける必要があります。
一般的に、保護者が保育園への入園希望申請の段階で働いていない場合、求職中の証明である「求職活動状況申告書兼誓約書」を提出することで入園申し込みができます。
2か月を過ぎても就労していない場合は退園になる可能性もあるので求職活動状況申告で認可保育園に入った場合は期間内に就労をするようにしましょう。(自治体によっては1か月のところもありますので確認が必要です)
求職証明は基準指数の中でも点数が低いため、保活の状況が厳しい地区だと認可保育園は難しいのが現状です。

ただし、保育所の増設の結果、今まで激戦だった自治体でも空きが出たり、求職活動中の家庭の入園も見受けられるようになりました。前年度の希望者数や月ごとの空き情報を確認して、あきらめずに申し込みをしておきましょう。
育児中の求職は大変ですが、転職エージェントを利用することで効率的に自分に合った働き口がより見つけやすくなります。転職エージェントのサービスには履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策などもあります。活用できるサービスはどんどん利用して就労場所を確保しましょう。
転職エージェントはたくさんありますが、子育て中の主婦に寄り添ったエージェントに登録することで無駄な時間が省けますよ。

まずはこの3社に登録しておくのがおススメです!どんどん行動して行きましょう!
4.祖父母や一時保育に子どもを預けてパートを始める
仕事を始めることは、認可保育園の「保護者が働いている状態」に該当するため、認可保育園への入園申し込みができます。
しかし、専業主婦が仕事を始めようと考えた場合、子どもの預け先が必要になります。
祖父母や自治体の一時保育などに、子どもを預けることが可能であれば、短時間のパートでもよいのでまずは仕事を見つけて働いている実績を作りましょう。
雇用形態や勤務時間によって基準指数の点数は異なり、勤務時間の短いパートは点数は低めではありますが、就労をしているという事実をつくることは大切です。
自分の理想の働き方でなければ保育園に入園してから、働く形態をライフスタイルに合わせていけばよいのです。
近年は在宅ワークも増えてきていますが、一般的には在宅ワークより職場勤務の点数は高い傾向にあります。
5.開業届を出し個人事業主になる

開業申請は意外と簡単
働きに出ていない専業主婦でも、個人事業主として開業すれば、入園審査で専業主婦とみなされることはありません。
個人事業主として開業した場合は、認可保育園の入園申請を行う時点で開業届や実績を証明できる書類を提出する必要があります。
開業届は、利益が出ている・出ていないにかかわらず、税務署での手続きを行えば無料で出すことが可能です。
在宅ワークを検討している人にとっては、特におすすめの手段です。
6.就学や職業訓練
7.3歳児以降の入園
入園時期をずらすのも一つの方法です。保育園の乳児クラスは、保育士の配置基準などの理由から少人数です。
一方で、3歳以降の幼児クラスになると、保育士1人当たり20名の子どもの受け入れができるため、乳児クラスに比べて定員が増えます。
従って、3歳以降の入園は乳児入園よりも入園がしやくなるので、申し込み時に専業主婦の方でも入園のしやすさは、0歳児~2歳児クラスよりもグンとハードルが下がります。
ただし、保育園によってはそもそも2歳児クラスに在籍している園児の持ち上がり数以外の受け入れ人数が少ないという場合もあるので確認が必要です。
8.競争率の低い地域に引っ越す

自治体によって子育て支援の充実度は違うから調べてみて
保育園はどこでも入園できるわけではなく、住んでいる自治体内と決められています。つまりどんなに隣の自治体の保育園に空きがあっても入ることはできないのです。
認可保育園の入園条件は、自治体により多少の違いが存在します。経済的な余裕があることが前提となるものの、認可保育園の入園条件が比較的緩和されている地域に引っ越すことも1つの方法です。
各自治体のホームページでは、待機児童数が発表されています。なるべく確実に子どもを保育園に預けるためにも、転居前に各自治体のホームページから待機児童数をチェックし、待機児童数の少ない地域を選ぶことがおすすめです。
9.人気のある園を避けて申し込む
求職中の保護者が認可保育園を希望する場合、競争率の高い保育園を避けるのが無難です。人気がある園は就労している家庭の中でも接線状況です。
そこで狙い目になるのが、新設の園や、人気がない保育園です。前年度の申し込み状況など自治体の保育課に行って聞いてみるのも一つの手です。
ただし、なぜ人気がないのかという理由を調べる必要はあります。理由を知ったうえで、家庭で獲得できる点数を理解し、通える範囲で入園しやすい保育園を希望することをおすすめします。
10.疾病・障害・介護に該当していないか確認
家族の介護やご自身が保育を必要とする病気をお持ちの場合、保育が必要だと判断されます。もし、ご自身がこのような状況である場合は、自治体に問い合わせてみましょう。
まとめ
一口に保活といっても、立場によって方法はかわってきます。今回は現在、専業主婦のかたが子どもを保育園に預けるためにできる方法をご紹介しました。
専業主婦の場合は以下4のつが大きなポイントになります。
①「就労」は認可保育園の入園審査において非常に点数が高い項目であるため、認可保育園以外の利用を考えてみる
②認可保育園の利用には住んでいる自治体が家庭の状況を点数化して保育の必要性を審査を行っているので、専業主婦は認可保育を申し込むには就労以外でも点数化できるものがないかを探す。
③祖父母や一時保育に預けてパートなどで就労の実績を作る
④自治体や年齢による入りやすい年連、保育園を見つけて保活をする
保育園を探すには、住んでいる自治体の情報を得ることが必要です。直接、窓口で相談してみることで、思いもよらない情報を得ることができるかもしれません。
今、専業主婦だからといって保育園に入園することをあきらめる必要はありません。「仕事をしたい」という強い意志があれば、抜け道を探すことはできます。
ただし、少し長いスパンで少しずつ仕事や入園する保育園を考えていくようにしましょう。