子育て中の看護師の転職先はどう選ぶ?病院・クリニック・訪問看護・保育園などを比較

「子どもが生まれてから、今の職場では働き続けるのが難しくなった」

「看護師の仕事は続けたいけれど、もう少し家庭を優先できる働き方にしたい」

「病院以外にも看護師として働ける場所があるけれど、どこが自分に合っているのかわからない」

子育て中に転職を考えると、こんな悩みが出てくることがあります。

看護師は、病院だけでなく、クリニック、訪問看護、介護施設、保育園、健診など、さまざまな場所で働くことができます。

でも、ここで少し注意したいことがあります。

「夜勤がないから働きやすい」
「保育園だから子育てと両立しやすい」

というように、勤務時間だけで職場を決めてしまうと、実際に働き始めてから「思っていた働き方と違った」と感じることもあります。

同じ看護師でも、職場が変われば、

  • 一緒に働く人
  • 仕事の進め方
  • 求められる役割
  • 人間関係
  • 勤務時間
  • 夜勤やオンコール
  • 給与

などが変わります。

だからこそ、転職先を探すときは、

「どこが一番働きやすいか」ではなく、「自分の家庭や性格には、どんな職場が合いそうか」

という視点で考えてみるのがおすすめです。

看護師は働く場所によって「働き方」がかなり違う

まず、看護師の転職先として考えられる場所を見てみましょう。

職場 夜勤 子育てとの両立 特徴
大学病院・総合病院 ありの場合が多い 職場による 教育・専門性、シフト勤務
一般病院 職場による 職場による 病棟・外来など選択肢がある
クリニック なしが多い 比較的考えやすい 少人数の職場も
訪問看護 日勤中心が多い 比較的考えやすい オンコールの確認が必要
介護施設 施設による 施設による 介護職との連携が重要
保育園 なし 比較的考えやすい 保育士との連携が重要
健診・検診 なしが多い 勤務条件による 勤務日・時間の確認が必要

もちろん、これはあくまで一般的な傾向です。

同じ「クリニック」でも勤務条件は違いますし、同じ「訪問看護」でもオンコールの有無などは事業所によって異なります。

だからこそ、職場の名前だけでは判断できないのです。大きな病院は「子育てと両立しにくい」とは限らない

大学病院や総合病院というと、

「夜勤があるから子育てには向かなそう」

と思うかもしれません。

確かに病棟勤務では夜勤やシフト勤務があることもあります。

一方で、大きな病院では、

  • 外来
  • 病棟
  • 手術室
  • その他の専門部署

など、さまざまな部署があります。

勤務先によっては、子育て支援制度が用意されている場合もあります。

そのため、

「大きな病院だから子育てには向かない」

と決めつける必要はありません。

むしろ、今の職場で働き方が合わなくなったのであれば、

「同じ病院の中で働き方を変えられないか」

という方法も考えられます。

クリニックは日勤中心でも「少人数」という特徴がある

クリニックは、夜勤がない求人も多く、子育て中の看護師が転職先として考えることがあります。

勤務時間が比較的イメージしやすいのも魅力です。

ただ、クリニックなら何でも働きやすいわけではありません。

クリニックはスタッフ数が少ない場合もあるため、

「子どもが急に熱を出したときに休みやすいか」

は確認しておきたいところです。

また、

  • 土曜日勤務
  • 午後の診療
  • 診療終了後の業務
  • 残業
  • 昼休みの取り方

などもクリニックによって違います。

「17時まで」と書いてあっても、実際の働き方は職場によって違います。

訪問看護は「夜勤なし」だけで判断しない

訪問看護も、子育て中の看護師が考えられる働き方の一つです。

日勤中心の事業所もありますが、オンコールの有無は確認しておきたいポイントです。

夜勤はなくても、夜間や休日に電話対応をする可能性があるなら、家庭への影響は変わります。

特に子どもが小さい場合は、

「夜に電話が鳴ったとき、自分は対応できる?」

「オンコールの日に子どもが体調を崩したら?」

というところまで考えてみると、自分に合うかどうか判断しやすくなります。

保育園看護師は「子どもと関われる」だけではない

保育園看護師は、子育て中の看護師が転職先として考えることのある仕事です。

夜勤がないことが多く、子どもと関わる仕事でもあります。

ただし、ここは今回の記事で特に伝えたいところ。

「保育園だから働きやすい」とだけ考えないほうがいい。

保育園では、看護師だけで仕事を完結するわけではありません。

保育士と一緒に子どもたちの生活を支えながら、看護師としての専門性も活かしていくことになります。

保育所保育指針でも、看護師等が配置されている場合には、その専門性を生かした健康支援が示されています。

また、制度上、看護師等が保育士配置の算定に関わる仕組みもあるため、園によっては保育業務にも関わることがあります。一定の場合には、看護師等が保育を行う際に保育士による支援を受けられる体制の確保も求められています。

そのため、転職を考えるなら、

  • 看護師は何人配置されているか
  • 看護師が一人になる時間があるか
  • 看護師の仕事内容は何か
  • 保育業務にもどの程度入るのか
  • 保育士との役割分担はどうなっているか
  • 相談できる相手がいるか

などを確認しておくと安心です。

「一人で任されるほうが気楽」という人もいれば、「看護師が複数いるほうが安心」という人もいる

ここは性格によっても違います。

一人で自分の判断で仕事を進めることが苦にならない人もいます。

一方で、

「何かあったときに看護師同士で相談したい」

という人もいるでしょう。

だから、保育園看護師が良い・悪いではなく、自分がどんな環境なら安心して働けるかを考えることが大切です。

介護施設も「看護師だけの職場」ではない

介護施設で働く看護師もいます。

ここでも、病院とは違う働き方になることがあります。

介護施設では、介護職など他の職種と一緒に利用者の生活を支えることになります。

そのため、

「看護師同士で仕事をするのが好きなのか」

それとも、

「いろいろな職種と相談しながら仕事をするのが好きなのか」

によっても、向き不向きが変わるかもしれません。

また、介護施設といっても、

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 有料老人ホーム
  • デイサービス

など、施設によって仕事内容や勤務体制は違います。

「介護施設」という名前だけで判断せず、求人ごとに確認したいところです。

実は「人間関係」も転職先選びではかなり大切

給与や勤務時間ばかり見ていると、意外と忘れてしまうのが人間関係です。

でも、毎日働く場所だからこそ、

「誰と一緒に働くのか」

はかなり重要です。

たとえば、

病院

看護師が多く、相談できる人が複数いる環境が合う人もいます。

クリニック

少人数だからこそ、職員同士の距離が近い職場もあります。

訪問看護

スタッフ数が少ない事業所では、一人ひとりの役割が大きくなることもあります。

保育園

保育士との連携が欠かせません。

介護施設

介護職など、他職種との連携が重要になります。

つまり、

「人間関係が良い職場を選びましょう」

だけでは少し抽象的です。

「自分はどんな人たちと、どんなふうに働くとストレスが少ないのか」

まで考えてみると、職場選びが少し具体的になります。

「一人で判断するのが苦手」なら職員数も確認したい

これは求人を見るときに意外と重要なポイントです。

たとえば、

看護師1名体制

と、

看護師5名体制

では、同じ看護師の仕事でも感じ方がかなり違う可能性があります。

一人で任されることにやりがいを感じる人もいれば、

「困ったときに相談できる人がいてほしい」

という人もいます。

特に子育て中は、家庭でも仕事でもやることが多くなりがちです。

職場で余計なストレスを増やさないためにも、自分に合った職場の規模を考えてみるのも一つです。

「子育て中だから働きやすい職場」という考え方を少し変えてみる

ここまで見てくると、

「結局、どこが一番おすすめなの?」

と思うかもしれません。

でも、私は一つの答えを決めなくてもいいと思います。

たとえば、

家族のサポートがほとんどない

→ 夜勤なし・勤務時間が安定している職場を優先する

祖父母にある程度頼れる

→ 夜勤のある病院も選択肢に入る

看護師同士で相談しながら働きたい

→ 看護師の人数が多い職場を検討する

少人数で自分の裁量を持って働きたい

→ クリニックや小規模事業所などを検討する

子どもと関わる仕事がしたい

→ 保育園などを検討する

他職種と一緒に働くことが苦にならない

→ 保育園や介護施設なども候補になる

というように、家庭や自分の性格によって答えは変わります。

転職先を決める前に「自分」を知っておく

求人を探す前に、次のことを考えてみてください。

仕事について

  • 夜勤はできる?
  • 残業はどこまでなら大丈夫?
  • 土曜日勤務はできる?
  • 通勤は何分までなら負担にならない?

家庭について

  • 子どもの送迎は誰がする?
  • 子どもが熱を出したら誰が対応する?
  • 祖父母にはどこまで頼れる?
  • 夫・パートナーとはどう分担する?

自分について

  • 看護師が多い職場が安心?
  • 一人で任されるほうが好き?
  • 他職種との連携は苦にならない?
  • 患者さん・利用者さんとじっくり関わりたい?
  • 子どもと関わる仕事がしたい?

お金について

  • 最低限必要な手取りはいくら?
  • 夜勤手当がなくなっても大丈夫?
  • パートにした場合の家計は?

ここまで考えてから求人を見ると、単に「給料が高い」「夜勤なし」という条件だけではなく、自分に合う求人かどうかが見えてきます。

「働きやすい職場」は人によって違う

看護師の転職について調べていると、

「子育て中ならクリニックがおすすめ」

「夜勤なしなら訪問看護」

「保育園看護師が働きやすい」

など、いろいろな情報を目にするかもしれません。

でも、その人に合った職場が、自分にも合うとは限りません。

夜勤がなくても人間関係が合わなければつらいかもしれません。

給与が高くても通勤時間が長ければ家庭への負担が増えるかもしれません。

逆に、少し給与が下がっても、定時で帰れて子どもとの時間を確保できれば、満足度が高くなることもあります。

だから、

「子育て中の看護師に一番おすすめの職場」

を探すより、

「自分と家族にとって無理なく続けられる職場」

を探してみる。

そんな考え方もありだと思います。

まとめ|転職先は「職場の名前」ではなく「働き方」で考えよう

子育て中の看護師が転職を考えるとき、選択肢は病院だけではありません。

クリニック、訪問看護、介護施設、保育園、健診など、さまざまな場所があります。

ただし、それぞれに特徴があります。

夜勤がなくても、勤務時間が合わなければ子育てとの両立は難しいかもしれません。

保育園看護師でも、看護師の配置や保育士との連携が自分に合うかどうかを考える必要があります。

介護施設でも、介護職など他職種との連携が重要になります。

だからこそ、転職先を探すときは、

「どこが一番働きやすい?」ではなく、

「私は、どんな環境なら仕事を続けやすい?」

と考えてみる。

そして、

  • 勤務時間
  • 夜勤
  • 休日
  • 給与
  • 通勤時間
  • 職員数
  • 人間関係
  • 他職種との連携
  • 子どもの預け先
  • 家族のサポート

を一つずつ確認していく。

そうすると、今まで「転職するならどこ?」としか考えていなかった人も、少し違った角度から自分の働き方を考えられるかもしれません。

子育て中だから、この職場。

と決めるのではなく、

「今の自分と家族に合う働き方は何だろう?」

から探してみるのもいいのではないでしょうか。

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