
子育て支援員の資格を取得したけれども、実際に家庭に関わるときに気をつけるべきことを改めて知っておきたい
子育て支援員としての重要な役割は、親や子どもたちをサポートすることです。子育てに関する様々な相談や問題に対して親や家族に支援を提供する役割を持っています。
しかし、時には過剰なアドバイスや介入が逆効果になることがあります。
親が「自分の気持ちに寄り添ってもらえなかった」と感じたり、「一般的な意見を押し付けられて相談する気持ちが失せた」と感じることもあるのです。
本記事を読むことで、必要とされる「子育て支援員」になるための関わり方について解説していきます。

子育て支援員のさくらこです。私が保護者の方と関わる時に気をつけていることについてご紹介します。一緒に必要とされる子育て支援員を目指していきましょう!
子育て支援員としての役割を理解する
相談を利用した親から「でしゃばり」「相談したい気持ちになれない」と思われるリスクを避けるためにも、子ども・子育て支援制度の主旨を振り返り、求められている役割は何かを常に自分に問いかける必要があります。
子ども・子育て支援制度の主旨は「子ども・保護者の置かれている環境に応じ、保護者の選択に基づき、多様な施設・事業者から、良質かつ適切な教育・保育、子育て支援を総合的に提供する体制を確保する」です。
つまり、子育て支援員に求められているのは「困っている家庭の悩みや状況を聴きながら、それぞれの課題を整理して必要とする資源を紹介して活用を促すなど、その家庭なりに子育てに取り組んでいくプロセスをサポートすること。
「利用者が主体」という姿勢を貫き、自分が提供するサポートが、親や子どもたちにとって必要なものかを理解し、アドバイスや支援を提供するように心がけましょう。

各家庭によって事情は様々。一般的には「良い」と評価されているものが必ずしもその家庭に「今」必要なサポートなのかどうかは常に頭にいれておくようにしています。
でしゃばりな子育て支援員にならないための心得
子育て支援員の役割を理解したうえで、「でしゃばり」「相談したくない」と思われないような保護者との関わり方について解説していきます。

1 聴く姿勢を示す
子育て支援員が親との信頼関係を築くためには、まず相手の話をじっくりと聴く姿勢を示すことが重要です。
相手の話を真剣に聴き、理解することで、相手が自分を受け入れてくれていると感じることができます。また、相手の話に共感し、共感の言葉をかけることで、相手の気持ちを理解しやすくなります。
2 聴き手に徹する
親が話している内容を聴くと同時に、話を遮ったり、自分の意見を押し付けたりすることは避けましょう。親たちの話に対しては、真剣に耳を傾け、親たち自身が解決策を見つけるようにサポートをします。
以下は話を聞くときの効果的な聞き方です。
- 目を見て話を聴く
話を聴くときは、相手の目を見て話を聴くことが大切です。目を見ることで相手に対して興味を持っていることを示し、相手が話しやすい環境を作ることができます。 - 聴き役に徹する
話を聴くときは、相手の話に集中し、自分の考えや意見を挟みすぎないようにすることが大切です。相手の話を理解し、相手が話しやすいように配慮することが大切です。 - 質問をする
話を聴くときに、相手に質問をすることで、相手の気持ちや状況を深く理解することができます。また、質問をすることで相手が自分で問題を解決するきっかけを作ることもできます。 - フィードバックを行う
相手の話を聴いた後は、相手の話を要約し、フィードバックを行うことが大切です。相手が話した内容を正しく理解し、相手が話したことに対して感謝の気持ちを示すことで、相手との信頼関係を深めることができます。
これらの姿勢を心がけることで、保護者の話を効果的に聴くことができます。
3 アドバイスを与える前に相手の立場を理解する
子育て支援員としては、自分が提供するアドバイスや支援が正しいと信じているかもしれませんが、それでも親たちが自分自身で考え、判断することが重要です。
親が抱える問題についてアドバイスをする前に、相手の立場を理解することが重要です。
相談している家庭がどのような状況にあるのか、どのような気持ちでいるのかを確認し、相手が求めていることや、どのようなサポートが必要かを共有することが大切です。相手に寄り添ったアドバイスや支援を提供することが、信頼関係を築くために必要なことです。
自分の意見を押し付けず、親たちが自分自身で考え、判断するための情報を提供するようにしましょう。
4 親の力を認める
親のエンパワメント(認める・評価する・力を与えること)は非常に重要な役割を果たします。
親のエンパワメントとは、親が自分たちの子育てに対して自信を持ち、自分たちの意思決定や行動を自分で行うことができるように支援することを指します。
子育て支援員は、親が自分たちの能力やリソースを最大限に活用し、自分たちの子育てに対する責任感や自己効力感を高めることができるように、情報やリソースを提供し、助言や支援を行います。
子育て支援員は、親が自分たちの子育てに対して自信を持ち、自分たちで解決策を見つけることができるようにサポートすることで、子どもたちの健やかな成長や発達に貢献することができます。
5 親のレジリエンス(回復力)を信じる
親が自分たちの子育てに自信を持ち、困難に直面しても立ち上がって対処することができるようになるためには、子育て支援員が親の自己肯定感や自己効力感を高めることが必要です。
親が自己肯定感や自己効力感を持つことで、子育てに自信を持ち、子どもたちの成長をサポートし続けることができます。
しかし、親が困難に直面した時には、自己肯定感や自己効力感が低下してしまうことがあります。子育て支援員は、そうした時に親に対して、自分たちのレジリエンスを信じるようにサポートすることが重要です。
具体的には、子育て支援員は、親に対して以下のような支援を行うことができます。
1 親のストレスや不安の軽減
ストレスや不安を軽減することで、親が自分たちのレジリエンスを信じることができるようになります。
2 親の成功体験の共有
親が成功体験を持つことで、自己肯定感や自己効力感を高めることができます。子育て支援員は、親の成功体験を共有することで、自己肯定感や自己効力感を高めることができます。
3 ポジティブなフィードバックの提供
親が自分たちの子育てに対して、ポジティブなフィードバックを受けることができるようにすることも、自己肯定感や自己効力感を高めることができます。
6 場の空気を読む
子育て支援員としては、場の空気を読むことが求められます。親たちが話したくないことや、聞かれたくないことがある場合には、それを無理に聞こうとしたり、話題を変えずにしつこく質問することは避けましょう。
落ち着いた空間や、親が話しやすい環境を整えることで、親がリラックスして話せるようになります。
特に、親が心配していることや悩んでいることについては、相手に言えるまで時間がかかることもあります。
子育て支援員は、相手が言いたいと思うタイミングを待ち、話した情報を尊重し、秘密を漏らさないように注意することが大切です。
7 柔軟な姿勢を示す
子育て支援員としては、真摯な姿勢で接することが求められます。親たちが話している内容に対しては、真剣に耳を傾け、親たち自身が解決策を見つけるようにサポートすることを心がけます。
子育て支援員は、相談者に合わせて柔軟に対応することが必要です。親の状況や気持ちに合わせたアドバイスや支援を提供することが求められます。
また、親が自分の子育て方法に自信を持っている場合には、それを尊重することも大切です。相手の立場や状況に合わせた対応をすることで、親は自分を受け入れてくれていると感じ、信頼関係が深まります。
8 資格や経験に頼らず、人間性を大切にする
子育て支援員は、資格や経験を持つことが重要ですが、それ以上に人間性を大切にすることが求められます。
親が抱える悩みや問題に対して、単にアドバイスを与えるだけではなく、相手の気持ちに寄り添い、共感して一緒に考えることが必要です。
相手との信頼関係を築くためには、優しさや思いやり、共感する心が必要不可欠です。
9 伝え方を学ぶ
支援員の仕事は「伝え方」が大切です。しかし、伝え方について正しい知識を持っている人は意外と少ないのでは?と感じる場面に遭遇することも多いです。
伝え方は学ぶことができます。「性格統計学」をもとにした 「伝え方コミュニケーション検定・初級講座」はオンラインでも受講できるので忙しい毎日の中でも学ぶことができます。
NHKの「おはよう日本」の番組内で紹介されたり、教員のコミュニケーション力向上を目的とした研修で取り入れられ実績を評価されたノウハウがつまっています。
このような講座を活用して一人でも多くの人の心に響く伝え方ができる支援員を目指すことは、「でしゃばりな支援員」ではなく「選ばれる支援員」になる一歩です。
伝え方を学んでみたいと思ったかたは下にリンクを貼っておきますので是非、受講してみてくださいね。
知って得する、知らないと損をする!すぐに役立つ相手に合った「伝え方」のコツ!
まとめ
子育て支援員として働く上で、でしゃばりにならないためには、親たちの立場や状況を理解し、適切なアドバイスや支援を提供することが大切です。
自分自身が正しいと信じるアドバイスや意見を押し付けることはせず、親たちが自分自身で考え、判断することを促すように心がけるようにします。伝え方はコツを学ぶことができるので学んでみると更に支援員としてのスキルをアップさせることができますよ。
また、親たちのプライバシーを尊重し、真摯な姿勢で接することで、親との信頼関係構築の土台ができあがります。
信頼関係という土台ができあがると、親の心のシャッターが少しずつ開き本当に必要な支援が見えてくるものです。シャッターが開くまでは忍耐強く、待つことが必要です。
子育て支援員研修のテキストを開き直すことで、本来の在り方を見直すこともできますよ。