認可保育園の保活をする人は知っておくべき、利用調整の「点数」とは?

質問者さん

認可保育園に申し込む時には自分の家庭の「点数」を知ることが重要って言われているけれども、「点数」って何?

保活をこれから始める人は、認可保育園を利用する時の選考基準となる点数について、理解する必要があります。

なぜならば、点数のしくみを知っておくことで「何となく保育園見学した」「何となく保活した」という「保活をしたつもり」の無駄な行動を減らすことができるからです。

本記事では、認可保育園の点数・ポイントの仕組みについて解説をし、「点数が低かった場合にできる対策」についてもご紹介します。

 

さくらこ
さくらこ

子育て支援員のさくらこです。認証・認可保育園で働き自治体とのやりとりを行ってきました。

待機児童は減少傾向にあるとはいえ、戦略的な保活が必要とされる地域は、まだたくさんあります。保活には欠かせない「点数」のしくみを知ることで、今後の保活の進め方を決めることができますよ。

保活の一通りの流れも知りたい!という方は、こちらの記事を参考にしてください。

認可保育園の保活に必要な「点数」とは?

保育園は本来、単純に子どもを預ける施設ではなく、就労する保護者に代わって保育する施設です。

そのため、自治体が運営する保育園の入園にあたっては両親の就労が条件となっています。入園するためには選考に通過しなければならず、基準指数・調整指数に基づき優先順位もつけられています。

指数とは、保育園の定員を超える利用希望があった際に行われる入園選考(利用調整)の際に、鍵となってくる数値です。

この指数が高い人=保育の必要性が高いとみなされ、優先的に保育園に入ることができます。

「基準指数」「調整指数」について理解する

選考のための点数は正式には「指数」と呼ばれ、以下の3つの区分があります。指数や順位の内容は自治体によって異なるので注意が必要ですが、この3種類の区分はどの自治体でも共通です。

 

家庭の「持ち点」は、まず父・母それぞれの基準指数を合算し、調整指数の加点・減点を行ったものになります。

この「持ち点」が同じ点数だった希望者同士は、優先順位によって順位付けされ、優先度の高い希望者から入園できることになります。

基準指数数や調整指数の数値や基準は自治体ごとによってかわりますので、各自治体への確認が必要です。

自分の住んでいる自治体がどのような配点になっているのかは、自治体が発行している入園案内を見たり、自治体の保育支援課に行くことで確認することができます。

以下の表は「基準指数」と「調整指数」の基準表の項目の一部です。

〇基準指数|家族の健康状態や所得状況をポイントとして数値化したもの
例)就業(週5回) / 就業(週3〜4回) / 就職予定 / 就学中・予定 /病気により入院 / 障害あり
介護が必要な家族の有無
〇調整指数|家庭の状況に合わせて、加点・減点の調整をする点数のこと
例)希望する保育園に兄弟が在園中(加点)/ 就労中で既に無認可保育園やベビーシッター利用などの実績がある(加点)/同居の祖父母がいる(減点)

 

さくらこ
さくらこ

自治体の入園案内を見て見るともっと細分化された項目に分けられていますので、計算間違いがないように注意深く確認してみてくださいね

ほとんどの自治体で、利用調整指数を比較して、高い方から優先順位が決まる仕組みになっています。

「優先順位」について理解する

基本指数と調整指数の合計で入園選考の優先順位が決まりますが、点数が同じ家庭も多くいることが予想できます。同じ点数同士の希望者間は、「優先順位」により順位付けが行われます。

その場合、自治体によって同一指数世帯の優先順位が決められているため、チェックしておきましょう。

例を挙げてみると、以下のようなものがあります。

  • 要保護家庭
  • ひとり親家庭
  • 多子世帯
  • 住民税額が低位の世帯

要件が当てはまる家庭から順位が決められることもあるため、確認をしておく必要があります。

また、同じフルタイム勤務の共働き世帯同士でも、すでに無認可保育園、一時保育、ベビーシッター等を利用した実績があれば、実績のない世帯よりも優先されることになります。

保活の激戦地域であったり、人気の保育園に入りたい場合は、優先順位を意識した保活を考えていく必要があります。

自分の「点数」を把握し、保活の戦略を考える

保活を効率的にすすめるためには以下の2点を把握しておく必要があります。

  • 自分の世帯が獲得できる点数を知る
  • 住んでいる自治体での過去の実績から、自分の点数で入りやすい保育園を見つける

この2つを早めに調べ、入れる望みがありそうかどうかを目安として知っておきましょう。点数が分かっていると、その後にやるべきことが見えてくるはずです。

反対に、知らないと点数アップのためにできることや時期を逃してしまいます。

また、住んでいる自治体での過去の実績と照らし合わせて、現在の状況で入れそうな保育園はどこなのかを確認しておきましょう。

「各保育園に何点で入れたのか(もしくは何点の人が入れなかったのか)」や「各保育園の応募倍率」を公開している自治体もあります。

小さい子どもを連れての移動は大変ですが、過去の情報を得るために、役所に直接相談しにいくことがおススメでです。

なぜならば、その時に自分の持ち点の計算が基準と合っているかを確認できるからです。

1点の減点が保活の明暗を大きく分けることがあります。入園のしおりに記載されている項目と自分の状況を照らし合わせて、不明な点がある場合は聞いてみましょう。

これらの情報を知ることができれば、入れる可能性が高い保育園を探すことができるでしょう。

点数が低いときの保活の進め方

  • 自分の世帯が獲得できる点数を知る
  • 住んでいる自治体での過去の実績から、自分の点数で入りやすい保育園を見つける

上記2つをチェックすることで、入園できそうな認可保育園が予想できるようになります。

待機児童にならないで済むように保活の戦略を練っていきましょう。

家庭の持ち点が低くて「保育園に入れるのか不安」「復職できるのか不安」という家庭もあるでしょう。
ここからは、加点の可能性も踏まえながら、家庭の持ち点が低いときの保活の進め方について解説します。

昨年の実績から人気がない園や新設園を選ぶ

まず、どうしても「認可」に入れたい場合。希望する保育園によって入れる可能性がグンと上がる場合もあります。基本的には駅から遠い園や、2歳児までを対象とした小規模保育所は倍率が低い傾向にあります。こういった不便さが許容可能なら、応募者が少ない保育園を狙うのも戦略の一案といえます。

また、新設園もねらい目であることも多いです。なぜなら、来年度から新設する園は見学ができないことが多いので「どんな保育園か分からないから志望するのはやめとこう…」と思う家庭が多いからです。

一時預かり、ベビーシッターを利用して保育の必要性の実績を作る

ベビーシッターや一時保育、認可外保育園の施設を利用することで加点になる場合もあります。

一時預かりは、就労を理由とした週5日の定期利用が可能です。自治体によっては、認可外保育園や一時預かりだけでなく、ベビーシッターサービスを利用すれば加点してもらえるケースがあります。

東京都では、待機児童対策として、子どもが保育所等に入所できるまでの間、保育所等の代わりとして、ベビーシッターを1時間150円で利用できる事業があります。

認可外保育園を検討する

「認可」に入れる可能性が低そうな場合は、認可外(無認可)保育園への応募も視野に入れる必要があります。

「認可外」と聞くと、不安を感じる人も多いですが、認可外保育園は国が定める基準は満たしていないものの、厚生労働省の指針に基づいて定期的に自治体の立ち入り調査が行われている施設です。

認可外保育所の場合は、先着順で申込を受け付けていることも多いので、特に早めに見学に行きましょう。

まとめ

自治体によっては、希望園を20園まで書けるように設定していることがあります。それだけ、認可保育園に入園するのは簡単ではないのです。

自分の世帯の指数を知ることで、保活をより効率的に進めていくことができます。情報を正しく把握することで入れる保育園が見つかる可能性は確実に広がります。

指数が低くても諦めるのはまだ早いです。加点ができるか調べてみてください。あわせて、指数が低くても入れそうな保育園を探したり、ベビーシッターなどを利用した実績を作り加点ポイントを稼ぐなど戦略を考えましょう。

個人でできることとしては、何となく不安を抱えるのではなく、まずは状況の把握と分析をして、できることをやっいくことで後悔がない保活を行うことができますよ。

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