・主婦から保育士になることはできるの?
・40代から保育士を目指すのはおそい?
・保育士にはどうやったらなれる?
・主婦が保育士資格を目指す時に知っておいたほうがよいことは?
子育てが一段落した主婦が再就職を検討する際に、子育て経験を活かせる保育士が選択肢に入ることもあるでしょう。
保育士は年齢の制限なく目指せる職種です。30代、40代の主婦から保育士を目指し、保育士現場で活躍している方はたくさんいます。60歳を超えても働き口に困ることがないのも保育士という仕事の特徴です。また、保育士不足問題もあり、保育士の需要はますます高まる傾向にあります。
本記事では、主婦から保育士を目指したい方に向けて、保育士になるための方法や、保育士資格を取得する方法を解説します。
主婦から保育士になるには?
保育士は年齢制限がない職種ではないため、主婦から目指しやすい職種でもあります。
また、保育現場の多くがシフト制を採用しており、早番や遅番など勤務時間帯の選択肢が多いため、人生のライフサイクルや家族の都合に合わせた働き方を見つけることができます。
まずは主婦から保育士になるには、どのような方法があるかをご紹介します。
保育士資格を取得し働く
保育士になるルートとして最も一般的な方法は、国家資格である保育士資格を取得して働くことです。保育士は保育に関する専門的な知識が必要な職であるため、働くにあたって資格が必要となります。
そのため主婦から保育士になるためには、まず資格取得を目指すことが第一歩です。
保育補助として働く
もう1つのルートは、無資格で保育補助として働く方法です。保育補助とは保育士をサポートする役割を担います。保育士資格を持っている人がパートで保育補助として働いていることが多いですが、無資格でも働くことが可能です。
正社員の割合は少なく、非常勤としてパートで働くケースも多くみられます。そのため資格取得に時間を取れない、プライベートを優先して保育の仕事に携わりたいという方にはおすすめです。
無資格でも働ける職種ではありますが、専門的な知識が必要な仕事ですので、保育士資格を取得することが難しいと感じる人は、子育て支援員研修を受講するのがおススメです。
主婦が保育士資格を取る方法
保育士資格を取得するにはどのような方法があるのでしょうか?
保育士資格を取得するには2つの方法があります。
養成学校を卒業する
1つ目の方法は、保育士養成学校へ通い、必要科目を履修し卒業することです。保育士養成学校とは、厚生労働省が指定する大学、短期大学、専門学校のことで、保育に関する指定科目を履修しして卒業すると保育士資格が取得できます。養成学校の受験資格は学校により異なりますが、多くは高校卒業以上の学歴が必要となります。
この方法であれば、卒業と同時に保育士資格が取得できるため、国家試験を受けなくても保育士資格を取得することができます。
しかし、最短でも2年間は学校で学ぶ必要があるため、家事をこなす主婦にとってはハードルが高いことが多いでしょう。
養成学校の中でも、最短で保育士資格を取得できるのは、2年制の短期大学または専門学校です。一方でなるべくお金をかけずに資格を取得したい場合は、専門学校がおすすめです。
学校によっては全日制や通信制が選べる場合もあるため、自分に合った方法で学べる場所を選ぶようにしましょう。
保育士試験に合格する
2つ目の方法は、国家資格である保育士試験に合格することです。保育士試験の受験資格を得るには、いくつかの条件があります。まず、1991(平成3)年3月31日までに高校を卒業している場合、または1996(平成8)年3月31日までに高校の保育科を卒業している場合は受験可能です。
試験の教科は9科目あり、実技もあることから独学で試験に受かるのか不安になる人も多いですが、通信教材や講座、過去問などを活用すれば、独学であっても十分に知識を身につけられます。
無資格で保育補助としてパートで働きながら保育士資格の勉強をする人も多くいます。
主婦が保育士資格を取得しやすい方法はどっち?
保育士資格を取得する方法先述した通り、
1 養成学校に通う
2 保育士試験に合格する
のどちらかになります。どちらが良いかは人によってそれぞれですが、主婦目線でのそれぞれのメリット、デメリットを次の図にまとめました。
子育てが落ち着いてきた主婦の方であっても、家事と両立する必要のある主婦には、養成学校に必要な高額な授業料と取得までに要する期間はハードルが高いと感じる人もいるでしょう。
保育士試験を受けるルートであれば、費用が安く、自分のペースで勉強できるため、「保育士試験」に独学でチャレンジする方法を選択する人は多いようです。
勉強時間とモチベーションを自己管理しながら勉強できる方は、保育士試験を資格取得がおすすめです。
モチベーションが落ちた時には、息抜きがてら求人情報などをチェックしながら働きたいと思える園の条件を考えておくのがおススメです。主婦から保育士として初めて働く場合は、アドバイザーのサポートがしっかりしていて未経験者の求人が多いエージェントに登録をするようにしましょう。
保育士試験はいつあるの?
国家資格である保育士資格を得るための保育士試験は、4月の前期試験と10月後期試験、年2回実施されています。
保育士試験は前期・後期ともに3日間行なわれ、そのうち筆記試験は2日間かけて実施されます。
2024年度は以下の日程で行なわれるようです。
前期試験
- 筆記試験:2024年4月20日(土)、21日(日)
- 実技試験:2024年6月30日(日)
後期試験
- 筆記試験:2024年10月19日(土)、20日(日)
- 実技試験:2024年12月8日(日)
保育士試験ってどんな内容なの?
保育士試験は受験資格さえ満たしていれば誰でも受験できます。保育士試験合格を目指す場合には、ここでご紹介する試験の概要を押さえておきましょう。
保育士試験の受験には年齢制限はあるの?
保育士試験の受験には年齢制限がないため、子育てが落ち着いてきた40〜50代の方も受験できます。現在は受験資格の最低学歴条件が短大卒業程度に改定されていますが、高卒の方でも平成3年度までに卒業している場合は受験資格があります。
試験内容は筆記と実技
保育士試験は、筆記と実技の2つの試験から構成されています。筆記に合格することで、実技試験が受けられます。以下は筆記と実技の試験内容です。
出題はマークシート方式で行なわれます。
9科目全てで6割以上得点することが筆記試験の合格ラインです。
音楽の内容は、幼児に歌って聞かせることを想定して、課題曲(2曲)を弾きながら歌います。
造形の内容は、課題の保育の一場面を絵画で表現します。
言語の内容は、課題のお話を暗唱し、子どもが集中して聴けるようにお話を行います。
実技試験は各項目50点を満点とし、選択した2科目が6割以上得点できれば合格です。落とすための試験ではなく、保育士に必要な素質があるかを見極める試験です。独学でも大丈夫!
筆記試験の合格科目は3年間有効
筆記試験の合格科目は3年間有効です。
そのため必ずしも1回の試験で全ての筆記試験に合格する必要はなく、3年間のうちに全ての科目が合格すれば、次の実技試験に進むことができます。たとえば1年目の受験で3科目が不合格の場合、翌年はその3科目のみを受検します。
2年目の受験でその3科目のうち1科目のみ不合格の場合、さらに翌年の3年目は1科目のみ受験すれば良いということです。
しかし3年目でその1科目が不合格であった場合、翌年はリセットされるため、再度全科目の受験が必要です。
一発合格にこだわらず、長期間を見据えて計画的にクリアしていくのもひとつの方法ですね!
主婦が保育士として働く前に心得ておきたいこと
保育士に求められる資質やスキルは、年齢が高いからといって影響されることはあまりありません。主婦としての経験は、子育てや家庭管理において培ったスキルが、保育の現場でも大いに活かされることでしょう。
ただし、保育士としての専門知識やスキルを身につけることが必要です。資格取得や専門の学習プログラムを通じて、保育に関する理論や実践について深く学び、実際の現場での経験を積んでいくことが肝要です。
また、保育士は子どもたちとの接し方やコミュニケーション能力だけでなく、職員同士や保護者とのコミュニケーション能力が大変重要です。
特に主婦から保育士として働き始める時には、保育と子育ての視点の違いを理解するようにしましょう。
主婦が保育士資格を取るためには、独学でも可能!
今回は保育士を目指したい主婦の方に向けて、保育士になる方法や資格を取る方法を解説しました。
無資格で保育補助として働く方法もありますが、国家資格をもった上で保育士になって働いた方が、仕事の幅も広がり、今後のキャリアアップを望めるようになります。
資格の取得方法は、自分のライフスタイルに合わせて最適な方を選択してみてください。
新たなキャリアへのステップを踏むことは決して容易な道ではありませんが、保育士になる勉強や仕事を通して是非、自分自身の人生をより充実したものにできることは間違いありません。