育休明けは時短勤務が当たり前?フルタイムの方が良い場合もある【後悔しない働き方選び】

質問者さん
質問者さん

育休明けにフルタイムで働くか時間勤務で働くか迷って決められない

育児休暇を取得して仕事から離れた後に復帰する場合、多くの女性が迷うのは「フルタイム勤務と時短勤務のどちらで復職をしようか?」ではないでしょうか?

復職が近づいてくるとフルタイム勤務にするか時短勤務にするか一度は迷いますよね。目の前の育児や仕事に追われて、「自分は今度どのように仕事をしていきたいのか」なかなか冷静に判断できないこともあると思います。

さくらこ
さくらこ

育休明け、様々な働き方を選択したママたちからの相談をうけてきた私が解説していきます。

そこで、本記事ではそれぞれのメリットとデメリットを挙げたうえで、復職をする女性が適切に判断できる5つのポイントをご紹介します。

最後まで読むことで、自分の選択に自信をもってワーママライフを送ることができるようになります。

時短勤務とは

時短勤務の女性

育児休暇を取得した後、復職する際には、フルタイム勤務と時短勤務の2つの選択肢があります。「時短勤務」とは実際、どういう勤務形態なのが曖昧な人もいるのではないでしょうか?

時短勤務は、育児・介護休業法で定められている「育児短時間勤務制度」とよばれているもので、短時間勤務(1日6時間)ができる制度です。

さくらこ
さくらこ

希望に応じて男女ともに仕事と育児をできるように勤務時間を短縮することができます。

厚生労働省の「育児・介護休業法のあらまし」を読むことで、「誰が、どのように制度使えるか」を知ることができます。

①3歳未満の子を養育する従業員であって、短時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと。

②日々雇用される従業員でないこと。

③1日の所定労働時間が6時間以下でないこと。

④労使協定により適用除外とされた従業員でないこと。

以下のア)~ウ)の従業員は、労使協定により適用除外とする場合があります。

ア)当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない従業員

イ)1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

ウ)業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する従業員

※ このうち、ウ)に該当する従業員を適用除外とした場合、事業主は、代替措置として、以
下のいずれかの制度を講じなければなりません。
(a)育児休業に関する制度に準ずる措置
(b)フレックスタイム制度
(c)始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ(時差出勤の制度)
(d)従業員の3歳に満たない子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与

育児介護休業法のあらまし 厚生労働省 都道府県労働局雇用均等室

 

法律では、満3歳まで取得可能となっておりますが、企業によっては小学校にあがっても取得ができる制度を設けているところもあります。 

実際に私が勤める会社も小学校3年生まで取得が可能になっていますが、世間ではどのくらいまで取得できる制度を設けているのでしょうか?

厚生労働省でも全国調査をしており、令和2年(2020年)雇用均等基本調査 では下記のような統計が出されています。

3歳未満 37.9%
3歳~小学校就学前の一定の年齢まで 2.6%
小学校就学の始期に達するまで 10.2%
小学校入学~小学校3年生(または9歳)まで 7.9%
小学校4年生~小学校卒業(または12歳)まで 4.4%
小学校卒業以降も利用可能 5.0%
育児短時間勤務制度なし 31.5%
不明 0.5%

 

 

質問者さん
質問者さん

義務となっていても制度がない企業もまだまだ多いんですね。

また、勤務時間においても、「6時間」はあくまで法律上で決められている時間で、1日の労働時間が、6時間未満となる5時間や6時間以上となる7時間の勤務が可能かどうかは、企業ごとに対応が分かれます。

フルタイム勤務と時短勤務それぞれのメリットとデメリット

 

 

育休明けの働き方=時短勤務というイメージが強いですが、あえてフルタイムを選択するママも少なくありません。

それぞれのメリットとデメリットをみることで自分が何を価値をおいているかに気付くことができます。

フルタイム勤務のメリット

・キャリアアップの機会が増える

フルタイム勤務は、仕事に専念できる時間が多く確保できるため、職場での業務やプロジェクトに参加することができキャリアアップの機会を得やすくなります。

・収入が増える

フルタイム勤務は、労働時間が多くなるため、時短で働くより増えます。また、職務経験が長期的に蓄積されることで、将来的に高い報酬を得ることができる可能性があります。

・次世代の女性へ道を築ける

フルタイムで仕事をしながら子育てをするためには、両立させるために仕事の進め方、コミュニケーションの取り方など工夫をしていくことを余儀なくされます。こうした工夫が、後輩たちのキャリアへの道を広げたり、新たに作ったりすることに貢献することができます。

フルタイム勤務のデメリット

・家庭と仕事のバランスが取りにくくなる

フルタイム勤務は、家庭との時間を取ることが難しくなる場合があります。例えば、子どもが病気になった場合など、頼れる人がいないと仕事との折り合いをつけることが難しい場面も多々発生します。
バランスが崩れたまま続けることで、家庭も仕事もうまくいかなくなり、後悔につながることがあります。

・ゆとりがなく子どもを必要以上に怒ってしまう

フルタイム勤務は、仕事に専念できる時間が多くなる一方で、抱えるものが多く、ストレスがたまりやすくなることがあります。心にゆとりがなさすぎると、子どもを必要以上に怒ってしまうなど感情のコントロールが難しくなる傾向があります。

・出費が増える

フルタイムで働くと、保育園や学童の延長を利用することも多くなり、延長料金の発生が伴います。また、習い事の送迎や、家事の代行などを頼むことでそれなりの出費が発生してしまいます。

時短勤務のメリット

・育児とキャリアを両立できる

出産をきかっけに退職という道を選んでしまうと、いざ再就職をしようと思っても保育園に預けることが難しく、次の就職活動で不利になりがちです。フルタイムは無理であっても、時短勤務を利用して仕事を継続することでキャリアの継続が可能になります。

・家庭と仕事のバランスが取りやすくなる

時短勤務は、労働時間が短くなるため、家庭との時間を取ることがしやすくなります。子供の送迎や家事などを行う時間を確保できるため、家庭とのバランスが取りやすくなり、時間的にも精神的にも余裕をもつことができます。

・子どもと過ごす時間を長く持てる

時短勤務では、フルタイム勤務に比べて1時間~1時間半早く仕事が終わり、子どもと一緒にいる時間を作ることができます。子どもとの時間を保つことで、仕事の時間をさらに充実させる人も少なくありません。

時短勤務のデメリット

・収入が減る

時短勤務は、勤務時間が短くなるぶん給与がカットされるため、得られる給与は確実に少なくなってしまいます。また、職務経験が長期的に蓄積されないことで、将来的に高い報酬を得ることができる可能性が低くなることもあります。

・同僚の目が気になる

時短勤務で早めに仕事を切り上げて帰宅することで、同僚の仕事を増やしてしまっているように感じ、肩身が狭く感じてしまう人も少なくありません。

今まで時短勤務の制度利用者がいなかった会社だと「時短社員は迷惑」という雰囲気がある職場もあります。時短勤務への理解がない会社に在籍中の場合、居心地が悪い思いをするかもしれません。

・仕事の負担増加

時短勤務で働いている場合、同じ仕事をこなすために短い時間で作業しなければならない場合があります。そのため、仕事の負担が増加することがあるため、ストレスがたまる場合もあります。

また、仕事が残っていすにもかかあらず、退社時刻がきたら保育園のお迎えなどで退社せざる得ないもどかしさを感じる女性も多くいます。

フルタイムか時短、何を基準に選ぶといいのか?

 

ワーママ

 

フルタイムで働くか時短勤務をするかは働く女性にとっては大きな問題です。しかし、目の前の育児や仕事に追われて、なかなか冷静に判断できないこともあると思います。

そこで、時短勤務にするべきか、フルタイムにするべきか迷った時、適切に判断できる5つのポイントをご紹介します。

1.働き方の融通がどのくらいきくのか

そもそも、時短勤務を使って働く体制が会社にあるのかを確認しておくことは大切です。

例えば、時短勤務を選択したとしても、6時間ではなくて、7時間にすることでより自分の望む収入や働き方に近づく場合もあります。

また、テレワークや在宅勤務にすることでフルタイムが可能になるケースもありますので、会社の制度を理解しておく必要があります。

2.保育園の入園申し込みの際に「時短勤務制度」を選択することで点数の不足がおこらないか

認可保育園に入るためには、保育の必要性を数値化し点数が高い人が優先的に入ることができます。

時短勤務を選ぶことで「保育園入所時に必要な点数」が足りなくなり保育園に入れなくなってしまうリスクも考慮しておきましょう。

自治体に確認して昨年度の実績を聞いてみることも判断の一つになります。

3.日々のスケジュールや、1カ月の収支バランスを計算する

仕事と同じで、判断材料として分かりやすいのが数値を使っての可視化です。日々の時間の割り振りや1か月の収入を計算することで、すっきりと納得のいく自分なりの答えを見つけることができます。

先述したとおり、時短勤務の場合、収入も相応に減るのが一般的ですが、フルタイムだからといって収支がプラスになるとばかりは言えないこと。たとえば、フルタイムや残業をして働く時間、民間サービスに家事・育児の代行を頼む場合は支出も増えます。

4.自分のキャリアを考えた上で、時短勤務制度をとっても納得できるか

自分自身がどのような働き方を選択するかについての判断基準を明確にすることが重要です。

そのためには、自分自身のライフスタイルや将来のキャリアビジョンを考え、どのような働き方が自分自身にとって最適なのかを見極める必要があります。

時短勤務を選択したことによって自分が思い描いていたキャリアが築けなかったと後悔しないかどうかを自分が納得いくまで問答を繰り返してみましょう。

5.生きていく中で自分が譲れないことを比較する

仕事においても家事・育児についても、こうすればできるというノウハウは分かっていても、「自分にとってこれは欠かせない」「絶対にこうしたい」という価値観は誰もが持っているものです。

たとえば、「1人の時間が絶対欲しい」「何ごともバランスが大切」「○○の事業に絶対かかわりたい」などです。

そんな絶対に譲れないことを明確化にして、さらにその中で何を今は優先したいかを順位づけしてみることで納得のいく答えにたどりつきやすくなります。

フルタイムと時短勤務以外の選択肢も視野にいれてみる

育休明けの働き方の選択肢は大いほど、自分の家庭に合う働き方を見つけやすくなります。

フルタイムか時短で迷うだけではなく、以下のような働き方は可能なのだろうか?という視点を取り入れて考えていける選択肢を挙げてみます。

フレックス勤務

勤務時間を自由に設定する働き方です。例えば、出勤時間や退社時間を自由に設定したり、週によって勤務日数を変えたりすることができます。

これにより、家庭との両立がしやすく、急な予定変更にも柔軟に対応することができます。

テレワーク勤務

自宅や外出先など、職場以外の場所で仕事をする働き方です。コミュニケーションツールを使い、リモートで仕事をすることができます。

テレワークが許されれば通勤時間がなくなるので、フルタイムで働ける場合もあるでしょう。

短時間正社員制度を整えている企業もある

理由や期限を問わず、正社員でも短時間で働くことを認めている会社もあります。時短勤務で働く正社員の制度を「短時間正社員制度」と言います。短時間で働く雇用契約を結べば、子供がいくつになっても時短勤務を続けることが可能になります。

フルタイムの社員と時間給は同じで、1週間当たりの勤務時間が短い社員を正社員として雇用する制度です。短時間正社員は、働き方改革を背景に厚生労働省も推奨しており、導入する企業も増えています。

さくらこ
さくらこ

私が勤める会社ではこの制度を利用して、正社員で働くことを選択しつつ、自分の家庭の状況に合わせて働くことを選択している女性もいます

 

転職を考えた方がよい場合もある

転職

 

復職をしたのちに「どうしても会社が望む働き方と自分が望む働き方との折合いがつかない」という場合は「転職」を視野にいれてみるのも一つの手です。

たとえば、時短勤務を希望しても制度を活用できない、小学校にあがる時には時短勤務が選択できないなどで仕事の継続をあきらめざる得ない人もいます。

また、会社よっては制度があっても、育休明けの働き方に理解がなく、復帰後も従来通りの勤務時間や業務内容を強要することがあります。

このように、自分が今の会社で仕事を続けることは難しいと判断した場合は、転職エージェントなどを賢く利用して今の会社と比べて働きやすさを得ることができるのかどうか相談をしてみることで、納得して次の行動を選択することができます。

転職エージェントはたくさんありますが、働く主婦に寄り添った案件を紹介してくれるところを厳選して相談してみることが大切です。

 

まとめ

どの働き方が自分に合っているかは、家庭の状況や職場の状況によって異なるため、正解はなく、よく検討する必要があります。

それぞれののメリットとデメリットを考えたうえで、家族ともよく相談することが大切です。働く時間は、パートナーや祖父母の協力が得られるかどうかにも左右されます。

なかなか決められないのであれば、最初は時短ででやってみて、自分にとってデメリットだと感じることが多くでてくるようになったらフルタイムに変えてみるというのもひとつの手です。

先輩ママたちの体験談を聞くことも大切ですが、自分の家庭の状況に応じて柔軟に考え、その時にベストだと選択したものに自信をもって仕事ができることを応援しています。

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